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(読書)先が見えない時代の「10年後の自分」を考える技術/西村 行功

「10年後の自分」を考える技術 /西村 行功

 

10年は意外に短い


10年前と言えば2003年。僕自身は会社に入社して暫くたったところでした。
その頃描いていた未来の自分になっているでしょうか?

本書はそうした10年前の振り返りから始まります。
10年前の僕は、10年後、まだ転職もせずそのまま会社にいるとは思っていなかった。
プライベートでは、結婚もして子供を持つことになった。これは予想通り。しかし子供を持つことの重さ(もちろん喜びも大きいのだが)の認識は全く無かった。
お金の面では、10年前はあまり想像していなかった。しかしたまたま手にした本からいち早く中国株に投資し、中国ブームの恩恵を受けたことによって、少しは蓄えができました。
振り返ってみるとそんな10年だったと思う。

 

未来の計画を立てるコツとは


さて本書ですが、意外と短い10年というスパンで未来を計画していきましょうとスタンスで、その計画のたてるポイントをシナリオプランニングという技法を使って試みています。

それは、
①モノゴトをつなげて考える「つながり思考力」

②つながりをもとに未来を思考する「先読み力」

③修正を前提に決断する「踏み出す行動力」

という3つの段階に別れる。
それぞれの段階について少しメモしておきます。


①モノゴトをつなげて考える「つながり思考力」

・事実の一歩先にある原因を考える
→原因は下記の2つ構造に別れる
A 「拡張フィードバック」
その原因引き起こす良い面は、その後、傾向が拡大する
例)安売り→来店客の増加→売上の拡大

B 「バランスフィードバック」
その原因によって引き押される悪い面にによって事態は収束に向う
例) 安売り→客単価の低下・ブランドイメージの低下→客離れ・利益減

世の中の事象はこのAとBのサイクルのバランスで成り立っていることを理解する。
その上で、事象には「横の繋がり」と「縦のつながり」を見て、原因の深い部分に迫ろうとする。

A「横の繋がり」
時代感覚的に他の分野で起こっていることも同じ原因が引き起こしていることがよくある。
例)「アラブの春」と「マスメディアの苦戦」は共にSNSの普及が原因

B「縦の繋がり」
歴史から学ぶことの重要性。原因は歴史が引き起こしていることがある。
例) サッカー日本代表選手に4〜7月生まれが多いのは、会計年度に由来する。会計年度が4月になっているのは、年貢を納めることから起因している。

 

②つながりをもとに未来を思考する「先読み力」

 

必ずやってくる未来事象から考えることが重要。 具体的な例としては、高齢化問題。人口問題は予測しやすい問題の一つです。また個人な問題としては、親の介護問題も必ずやってくる問題の一つです。

こうしたほぼ必ずやってくる未来事象について対策をとるのは当然となります

それを踏まえた上、続いてやっておかねばならないのが、「不確実だがインパクト大の事象」について考えることです。

この不確実な未来事象に関しては、モレがないようにフレームワークを使って検証するのがよいということです。

 

③修正を前提に決断する「踏み出す行動力」

 

思想決定をしても実行しなければ意味がないということは、度々言われます。 意思決定を実行するには、具体的な計画を強制的に作ることが大事。

そして、未来を決めているのは、上記のような大きな思想決定だけではありません。 日々の小さな意思決定も大きく影響しています。

また、日々の小さな意思決定をする場合に悩んだら「選択肢が広がる」方の選択をすることが、ポイントだそうです。

 

未来について考えることは、楽しくもあり、辛くもあります。

往々にして人は過去の思考パターンだけで主観的に決定してしまいます。

未来を考えるにあたって一番大事なのは客観的に考えること

未来について考えることは、「自分の人生」や「家族の人生」という限られた資源をどう配分していくかという「戦略」について考えることです。

そして「戦略」が決まったら実行すること。「いつかやる」は「いつまでもやらない」と同じです。

 

「幸福の女神は、前髪しかない」とはよく言ったもので、未来について思考したことがある人だけが、目の前を通りすぎて行こうとしているチャンスに気づくことができます。

 

さぁ今年ももう暫くで終わりです。年の瀬に読むにはよい一冊です。

来年だけでなく少し先の未来について考えみましょう。