「カラマーゾフの兄弟」や「罪と罰」の翻訳本で有名になった著者の自伝的エッセイ。
このエッセイのスタイルが、場所・時空を超えて行き来する。根本につながるのはドストエフスキー。ドストエフスキーと著者の人生を重ね合わせるかのようなスタイルで著者の歴史がつづられていきます。
そして人間だれしもですが、自分の過去を振り返ると恥部や振り返りたくない闇の部分があります。本書ではそのあたりをドストエフスキー(またはロシア)と結び付けて掘り返しています。
自分の過去を振り返る(闇の部分も含めて)ことができるようになったということは、自分が大人になったということなのでしょうか。そんなことを考えてしまいます。
まったくロシア文学というものに触れていなかったですが、ちょっと興味が出てきました。