今回の横浜旅行中に楽しみにしていたのが、日清食品の「カップヌードルミュージアム」です。日曜日ということもあり、朝から大変な混雑でした。
コンセプトが特徴的なミュージアム
総合プロデュースが佐藤可士和という異色のミュージアム。通常の展示型のミュージアムではありません。このミュージアムのコンセプトは、
ここは、子どもたちひとりひとりの中にある創造力や探求心の芽を吹かせ、豊かに育てるための体験型ミュージアム。
2歳半の子供と一緒だったので、全てが体験できるわけではありませんでしたが、それでも十分に楽しかったです。
カップヌードルファクトリーでは、自販機でカップを購入。マジックでイラストを書き、麺を入れて、好きな具を選んで、フタをしフィルムをして完成。エアパッキンをしたバッグで持って帰るというアトラクションになっている。ひとつひとつは手作業だけれども、実際の工場のようにベルトコンベア式の作業工程になっていて、製品の生産過程が感覚的にわかります。
また安藤百福の歴史を学ぶ展示も工夫がされています。まずはスクリーンで14分の映像(アニメーション仕様で子供も親しみやすい)で全体を俯瞰して学ぶ。その後、パネル展示を見る。ただ目の付け所として、単なる偉業の展示ではなく、どうしてその偉業が達成されたかという部分にスポットを当てている。
つまり、安藤百福は創造的思考をしていたということ(仮説であっても)に基づいて展示されている。この部分が画期的だったと思います。
展示方法にしても注意を引きやすいようなオブジェや彼の言った名言を強調するなどの工夫がされています。
全体の感想としては、ミュージアムというより博覧会のパビリオンに近いと思います。恩着せがましなく触れてもらうというところに好意をもちます。
これはやはり全体のプロジェクト設計をきっちり発注し、自社の意見をあまり入れなかったことによることが大きいのではないでしょうか。きっちり任せないとどうしても自社の製品のプロモーションを!ってなってしまいますもんね。
では創造的思考(クリエイティブシンキング)とは
そんなカップヌードルミュージアムが提案する創造的思考とはどんなものでしょうか。
- まだ無いものを見つける
- なんでもヒントにする
- アイデアを育てる
- タテ・ヨコ・ナナメから見る
- 常識にとらわれない
- あきらめない
ということにまとめられています。よくアイデアの発想法では述べられていることですが、的確にまとまっています。
そしてそれぞれ安藤百福の事例に当てはめて、具体例を提示しています。つまりこのミュージアムは、安藤百福というケーススタディを使ったアイデア発想術のミュージアムであるともいえます。