Life is a showtime

やりたい事とか日記とかをつれづれなるままに……

(映画)6才のボクが、大人になるまで。@TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ

f:id:mailto1979:20141209165624j:plain

★★★★

『ビフォア』シリーズなどのリチャード・リンクレイター監督がメガホンを取り、6歳の少年とその家族の12年にわたる軌跡をつづった人間ドラマ。主人公を 演じた新星エラー・コルトレーンをはじめ、主要人物4人を同じ俳優が12年間演じ、それぞれの変遷の歴史を映し出す。主人公の母をパトリシア・アークエット、母と離婚しアラスカに行ってしまった父をイーサン・ホークが熱演。お互いに変化や成長を遂げた家族の喜怒哀楽を刻み付けた壮大な歴史に息をのむ。 (シネマトゥディ)

 今年、『ビフォアミッドナイト』を観て、時の流れを感じたばかりですが、その監督であるリチャード・リンクレーターが長年、撮影をし続けてきた作品。1年で2作品も観れるとは…。

6歳の少年が大学生になるまでという、一番成長が感じられる&一番難しい時期を同じ役者で撮り続けるという映画史上かつてない試みの作品。この設定だけでも観に行く価値ありです。

1年に一回の撮影だったといいます。そのため、シーンが変わると、説明なしに一気に年齢が進んでいたりします。この年頃の子供成長は著しく、本当にグイグイ大きくなります。ある意味、この時期の少年を主人公にしたためにこうした、説明なしでスマートに年月の移り変わりを表現できたと言えます。

あくまで淡々と…それが人生なのかもしれない

スマートという話がありましたが、この映画では大々的ないかにも映画的な演出はほとんどない。子供が成長する12年の間に、家庭内・家庭外に様々な事件が発生し、過ぎ去っていく。多くの人が登場して、再登場することもあれば再登場しないこともある。

それは僕たちの人生そのもの。多くの出来事が起きるけれども、時間とともに過ぎ去り、人との関わりも色々巡り会うけれども再び会うこともあれば会うこともないこともある

この映画からそんな人生の真理を感じます。

様々な感情を抱かせてくれた稀有な作品

2児の小さな子供を持つ僕が観ると、これまでの人生で通過してきた子の立場とこれから通過する親の立場の両方でこの映画を観ることになります。
子の部分に関しては「そういう時期があったなぁ」と。親については「そういう悩みや時期が来ること」を示してくれます。
 
(以下、ややネタバレあり)
エンディング近く、主人公が大学に入るために巣立って行くときに母親が言います。
 
『あなた浮かれすぎよ!やっぱり人生最悪の日だった』
 
一瞬、何を意味しているかわかりませんでした。しかし、子供が巣立つということはそういうことなんですね。
これは親にしかわからない感情なんだと思います。この一言のための3時間だったといっても過言ではないと思う映画です。
 
この映画では、冒頭が2000年の代表曲、COLDPAYのyellowから始まります。2000年といえば、僕自身、まだ大学生。つまりエンディングで主人公が大人になったばかりの部分を地で行っていた時期となります。そこから12年が描かれます。この12年で6歳の主人公は大人の入り口に立ち、母は子育てを終えます
 
それは人生の「ビフォア・サンライズ」と「ビフォア・サンセット」を観ているようです。1本の映画でこんな稀有な体験と感情を抱かせてくれる映画はありません。
 
今年観ておくべき映画です!絶対におすすめです!