★★★★
昨年秋、たまたま観に行った「寄生獣」。これが予想外に面白かったので、その完結編も観に行ってきました。
前編で衝撃的だったスプラッターシーンも健在。しかし数ヶ月あいていること、それなりの覚悟で観に行ったこともあって免疫が出来上がっていました。
「単に話が1作で収まらなかった」「2部作にして儲けよう」という意図が見え隠れする2部作ものの中で、こういう形での二部作というつくりは有効だと思います。
完結編というだけあって、前作で広げられた問題提起を折りたたんでいきます。この寄生獣が問いかける問題は本当に多い。
「種とは?」
「人間とは?」
「社会とは?」
「親子とは?」
「愛とは?」
「人間とは?」という回答だけでも映画を観た人それぞれ回答がありどれが正しいとかなんて言えません。
観終わった後、頭の中がぐちゃぐちゃになってしまうのは、問題の回答が本当に色々ありすぎるから。(映画内にもその回答のキーワードがちりばめられている)。
前編もそうでしたが、本作の面白さは、それぞれの問題について、生物学的見地からと社会学的見地からの2方向から考えさせられること。世の中の問題は、回答が一つなんてことはない。いろんな見方ができる。
気持ち悪いだけだった寄生獣もどこか感情移入できるようになる。それは寄生獣側に立った考え方ができたから。主人公に寄生したミギーは、いち早くそれをやっていた。なぜなら母体が死ぬと自分も死ぬから。寄生するということの本質はここにある。
こんなところでしょうか。うーん、まとめきれません。
映画のクライマックスで、
「それでも人間は生きていかなければならない」
そんな言葉が映画で出てきます。
この映画は、一言で表せられない
人間も一言で表せられないのと同じ