芥川賞受賞作ということで、読んでみました。
「沖で待つ」を含めて3編収録されています。非常に読みやすい作品でした。
この「沖で待つ」は、作者のバックボーンでもある住宅機器メーカーに勤める同期同士の約束の話。お互いに何かあった場合は、ハードディスクを壊そうという約束をします。
同期、異性、だけども恋愛感情はほぼない。
これって独特の立ち居地ですよね。
後輩が僕についた時に必ず教えること。
『同期は大切にしろ。会社員として夢も希望も愚痴もあたたく受け入れてくれるのは同期だけだ』ということ。
同期とは戦友のようなもの。
本作はこの独特のふんわりした同期愛を上手く描いています。次の後輩が入ってきて、下についたら薦めようと思います。