最近、話題というか物議を醸しだしているツタヤ図書館。僕が住む東海地区でも小牧市では住民投票で反対派が多数で、計画取り消しになったりしています。
そのTSUTAYAを日本で一番最初に図書館の指定事業者にしたのが佐賀県武雄市です。この武雄市での導入の顛末は『沸騰! 図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ (ワンテーマ21)』という本に書かれています。
せっかく佐賀まで来たのでこれはネタとして訪れようということで行ってみました。
館内は撮影禁止でしたので、外観だけ…。
第一印象は思ったより小さい図書館だということ。
そしてあちこちで言われているように、これはオシャレな本屋さんだなぁという印象でした。
本にも出ていましたがスターバックスが入っており、ブックカフェ化していました。こちらは大繁盛で館内の席は満席でした。ちなみに駐車場もかなり埋まっていました。
また視察と思われるスーツの方々もかなりの数いらっしゃいました。これだけTSUTAYA図書館が叩かれているのにもかかわらず、視察が多いということは、注目度が依然高いということがわかります。
図書館論争についての僕なりの意見
今回、武雄市図書館に行ってみた上で、最近の図書館論争について僕なりの意見をまとめておきます。
結論は、『図書館に何を求めるか』ということによって帰着が変わるということ。
小さな街の図書館が平日にも関わらずこれだけ利用されていることに対しては評価すべきです。図書館を利用しなかった若い層、夜間の利用拡大などの功績を残していることは事実です。
一方、図書館は「知識の集積」を第一とする考え方もあります。今回の武雄市図書館も蘭学館というスペースがTSUTAYAのレンタルスペースに変わってしまったりしています。また選書で、意味のない選書があったことなども問題でしょう。
それでも武雄市にとっては、ツタヤ図書館による功績の方が多いと思います。
それは財政・資源が限られている一地方都市の小さな図書館としての役目は、『より使ってもらえる図書館』『地域のコミュニティとなる図書館』として機能させることが第一であるべきと考えるからです。
税金を投入している限り、市民に使ってもらえる、市民に愛着をもってもらえるべきです。
懸念の「知識の集積」は別にやってもらうという判断もありです(例えば県立図書館とか)。
県立図書館クラスが「知識の集積」を投げ出すの問題でしょうが、一地方都市レベルでは優先順位をつけても良いと思うのです。
本来なら行政サービスが民間企業のように本来のサービス業としての取り組みが自主的にできるのが一番良い解決策でしょう。今回のツタヤ図書館は劇薬でした。副作用もありますが、一定の功績はあったと思います。
ちなみに佐賀県は薩長土肥として明治維新に関わっています。こうした新しい取組が佐賀県が出てきたことは面白い!なんて考えてしまいます。