CCCの増田社長も言っていましたが、個人的に「 図書館と病院はこれからの日本のキーになる場所」だと考えています。実際、CCCは図書館運営に乗り出しています。
そんな図書館の新しいトレンドを多くの事例とともに紹介している一冊になります。
全国の図書館の新しいトレンドを事例とともに
最近、人が集まる場所としての図書館が注目されています。本書の中で取り上げられている事例をみていきましょう。
- 小布施まちとしょテラソ
町民と交流してつくった図書館。館長にはテレビのディレクターが就任。図書館をどう演出するかということにも気を配っていったことがわかる事例。
- 武蔵野プレイス
「図書館」「生涯学習」「青少年活動支援」「市民活動支援」という4つの機能を持たせた複合施設。フロアごとに機能をわけて運営している。住民があつまる場所というコンセプト。
「ビジネス支援」を標榜する図書館。単なる情報支援に加えて人と人の結び付けまで。困っていることがあったら助けてくれる場所になる気概で。
ご存じ日本で話題をふりまく図書館。賛否両論があるが「集客力」があるところは事実。特に地方自治に関心がある層から評価が高い。ただ全国に同じような施設ができていったときにも集客力を保ち続けられるかが課題。
市民を育てる図書館。本に触れさせるということをまちぐるみで取り組んでいる。
デジタルアーカイブという分野まで事例として載っていました。
- ふなばし駅前図書館
こちらは最近の図書館のブームのひとつ、マイクロライブラリーとしての事例。本を通じてコミュニティの育成を図っていける事例。
- 海土町中央図書館
図書館がなかった離島にできた図書館。島まるごと図書館というプロジェクトからスタートする奮闘について。これだけで本になりそう。
まさかマイクロライブラリーやデジタルアーカイブまでの事例を新書の中であげているとは思いませんでした。
これからの図書館の流れについて思うところ
本書ではこうした事例を新しい潮流として紹介しています。
以前の貸出冊数主義から課題解決型図書館への流れ。マイクロライブラリーへの注目。そうしたことを見ていると、図書館は、人と情報の集積できる可能性がある場所という立ち位置がみえてきます。それらを結びつけて産業や住民活動に生かし、地域振興につなげられるかという視点が大事になってくるのではないでしょうか。
地域があっての図書館
この視点だと思います。
本書を読み終わって図書館にはその可能性があることがわかります。
個人的には本がいっぱいある場所ってわくわくします。それはなぜかというと自分の知らない世界を教えてくれる書物の魅力。本屋や図書館って知的好奇心をくすぐる場所なんですよね。
もっと図書館をつかった地域振興があればと思ってしまいます。
つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)
- 作者: 猪谷千香
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/01/07
- メディア: 新書
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