世界を覆うグローバル化の波。その波から地方をどう救うか。本書の冒頭では
ローカルに埋もれている場所文化を甦らせ、お金を自らの意思で「質」を変えて上手に使い、幸せの価値軸を物質文明から生命文明に転換させ、持続可能な地域社会をつくり上げるという解決策を具体的に描いていきたい。
と書かれてます。
資本主義社会ですので、「お金」が出てきますが、「お金」を稼ぐのではなく「命をつなぐ」道具として上手に使うことの重要性がかかれてます。
前半はマクロ的考えに基づき、お金の使い道として「長期的に価値を産むものへの投資」「互助」「地域内での循環」の大切さにまとめられています。
一方後半は、各地の事例がまとめられています。地域資産の再発見とでもいうのでしょうか。
素材はローカル、市場はグローバルしかないのではないか
本書では、地方コミュニティ&循環の大切さを説きます。地方を残すにはこれが一番ということに異論はありません。
ただこうした地方コミュニティ&循環システムをつくっても、構成者は年々年をとります。作ったそばから古くなっていくシステムとなります。これを防ぐには、新しい構成者を取り込む必要があります。新しい構成者の候補は、「よそもの」「ばかもの」「わかもの」という変革分子を入れていくのがいいのではないでしょうか。
そしてこうした人の意見を取り入れることの大事さ。
こうした「よそもの」「ばかもの」「わかもの」を惹きつけるには感情に訴えかけるとともにお金ではないでしょうか。でないと長続きしません。
地域に「お金」のもととなる「素材」は眠っていることは多々あります。この「素材」を他の地域、果ては世界に売り出すことによって、他エリアから「お金」を地域に呼び込むことの大切さを認識していないといけません。
幸いインターネットの登場により世界市場へのPRのハードルは大きく下がりました。全くグローバル化を排除するのではなく、市場としてのグローバルというものを意識した地方が大事なのではないでしょうか。