愛知県美術館で行われている『ゴッホとゴーギャン展』に行ってきました。ゴッホにしてもゴーギャンにしても単独での展覧会が行われるほどの人気画家です。一方、2人の交流を軸に企画された展覧会は初めてということです。
この2組の交流というのは、音楽でいうと対バンイベントのようなもの。美術界ではまだそれほど実例がなく、新鮮におもえます。
特に今回のゴッホとゴーギャンは、アルルで共同生活を送るという近代美術史においても有名な仲だったということです。このアルルの共同生活の部分は本展のハイライトであり、エピソードとして非常に面白かったです。
ゴッホとゴーギャンの共同生活について
1888年10月から12月にかけて、南フランスのアルルの「黄色い家」にて共同生活を送った二人。アーティスト同士ということで刺激があったのでしょう。次々に絵を書き上げていきます。
もともと「黄色い家」に住んでいたゴッホにとってこの2人の共同生活は楽しかったらしく、家の中の数々の想いでの品を絵にしています。
事件は12月23日に起こります。二人が口論の末、ゴーギャンが出て行った後、耳を切るという「ゴッホの耳切事件」です。ちなみにこの切り落とした耳を娼婦に届けています。(なんという奇行!)
その後、ゴーギャンはパリに出ていき、タヒチへ行ってしまいます。ゴッホはアルルを追い出されパリにいき、その後ピストルで自殺という運命をたどります。
ゴーギャンはタヒチへ行ったあともアルルのことを懐かしむ様子を見せる絵をかいたりしています。
こうしてみると二人にとって(特にゴッホにとって)この共同生活が人生において少し希望がみえた時期だったといえます。一方その後に漂う哀愁。
人生を感じる展覧会でした。
おススメです!