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(読書)里山ビジネス/玉村富男  小さい社会で食べていくということ

長野県の上田にワイナリーをつくり、レストランを立ち上げた著者の物語。

ワイナリーや畑の大変さなどもつづられていますが、本書の本当の読み応えは、小さな循環サイクル、小さな観光、小さな雇用といった個人レベルのこれからの生き方の提案だったと思います。

資本主義のビジネスとしては非常に厳しい世界だが、個人や小さな地域が暮らしていくにはなんとかやっていける。それはグローバル化や東京集約への反抗であり、成熟した社会のひとつの形でしょう。

 

小さい社会で食べていくこと

著者は、ワイナリーというものを通して地域として小さく循環し、受け継いでいくことを実践しようとしています。それはインターネットの普及によって、多大な広告費をかけなくても宣伝をすることができるようなった恩恵があります。

それと同じようなことで連想したのは、音楽シーンについて。

現在の音楽シーンは、もはやテレビ発で一発あてるという旧来型のビジネスもありますが、その陰でインディーズシーンというメディアが取り上げないシーンがあります。本人とマネージャーの1人ぐらいは食べることができるシーンです。

SNSなどで発信をしたり、全国の小さいフェスに呼ばれたりするアーティスト。移り変わりの早い若者ではなく、固定ファンに支えられるアーティスト。自分がやりたい音楽を自分がやりたいときにやるアーティスト。インターネットやSNSの発達でこのやり方がなりたつようになりました。アイコンとして数年で消費されてしまうよりよっぽど人間味がある気がしてなりません。

 

こういう考え方をするのも自分が年を取ったということなのでしょうね。

人生は長い!

長い人生をどう生きるかを考えたときに、パッと咲かない人生もありなのだというのは若者という世代が終わり、壮年という世代に入ったということなのでしょう。

 

里山ビジネス (集英社新書)

里山ビジネス (集英社新書)