★★★☆
アカデミー賞をにぎわした「LA LA LAND」をやっと観てきました。
監督のデミアン・チャゼルは、僕が2015年の年間第2位にあげた映画「セッション」の監督でもあり注目していました。
今回はミュージカル映画ということでついていけるかの不安もありましたが、そこは上手い捌きで、ほどよく万人受けするようになっていたと思います。
内容としては、主演のライアン・ゴズリング演じるピアニストとエマ・ストーン演じる若手女優が恋に落ちる1年を描きます。それにしても「セッション」でもそうでしたが、あくまで主演の2人にフォーカスしまくりですね。逆に2人だけでこれだけ持っていくのもすごいのですが。
そしてエマ・ストーンが魅力的すぎます…。目力が強いとでもいうのでしょうか。
観終わってしばらくたってから考える映画
鑑賞直後の評価としては、フーン…程度だったのですが、思い返してみるといろいろ考えさせられる映画でした。
男と女の過去の恋愛に対する感情だったり、幸せは人それぞれということであったり…。
特に考えさせられたのは、夢を追うということ。
本作はオープニングは、LAのハイウェイの交通渋滞のシーンでのミュージカルで始まります。それはカラフルで、誰もが夢を追う世界。
しかし物語が進むにつれて、そのハッピー感が減っていきます。ミュージカルシーンが減るのもそうですが、エマストーンの着ているドレスが原色ものからトーンダウンしていきます。なんなら最後は黒いドレスになってしまいます。
物語は二人の出会いの1年+5年後で完結しますが、人生というものは落ち着くところに落ち着くということを強く感じます。
赤塚不二夫風にいうなら「それでいいのだ」です。
もうひとつ秀逸だったのが、タイトルです。
「LA LA LAND」には、ロサンゼルスという意味とお花畑ちゃんという意味があるそうです。2人の(まぁだれもがですが)若かりし頃の夢も恋愛も追うお花畑ちゃん状態とロサンゼルスとのダブルミーニングでつけたこのタイトルには脱帽です。