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(映画)エタニティ 永遠の花たちへ/センチュリーシネマ

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★★★★

 

代休をもらって、何をしようかなぁと思って鑑賞した作品。

本当に美しい作品でした。

青いパパイヤの香り」「夏至」のトラン・アン・ユン監督が「ノルウェイの森」以来6年ぶりに手がけた監督作で、オドレイ・トトゥメラニー・ロランベレニス・ベジョという人気実力派女優たちを主演に迎え、運命に翻弄されながらも世代を超えて命をつないでいく女性たちの姿を描いたドラマ。

19世紀末のフランス。婚約を破棄したにもかかわらず、あきらめないジュールに心を動かされたヴァランティーヌは、やがてジュールと結婚。年月とともに夫婦としての絆も深まっていく。戦争や病で子どもたちを失うという悲しみを乗り越え、無事に成長した息子のアンリが幼なじみのマチルドと結婚したことに喜ぶヴァランティーヌ。息子夫婦に加え、マチルドの従姉妹のガブリエラらもヴァランティーヌのもとを訪れるようになり、大家族のような賑やかで幸せな日々が続くのだが……。

本当に淡々と主人公であるオドレイ・トトゥの結婚から死までの、家族の物語をほぼナレーションで綴っていくというストーリー。これはもはや芸術作品。

家系図を辿るように増えていく一族。そして度々訪れる「死」。

それは避けることができない、絶対的は自然の法則である。それに喜び、哀しむというのが人生である。

 

「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」と書いたのは、奇しくも村上春樹の『ノルウェイの森』でした。それを全編に感じるのが本作品でした。

 

そしてもう一つ。ここに描かれる一族の話は多くの人に当てはまるということ。19世紀フランスを舞台にしていますが、人類がある限り、誰にでも当てはまる、生のサイクルの一つである普遍的なことが描かれています。

 

そう考えると、

 

人にはそれぞれ、それぞれの人生があり、物語がある

 

と思えてきます。電車でとなりのこの人も、仕事場で嫌いなあの人もその人なりの人生があると。そう思うと少しは寛容のココロを持つことができますよね。

 

もう一つ見どころは、オドレイ・トトゥ。アメリの主人公も演じていた彼女。本当に美しい。そして10代から80代まで特殊メイクを駆使しながら見事に演じています。淡々とした脚本の中、2時間近く惹きつけられるのはこの魅力によるところも大きいと思います。

 

芸術の秋にふさわしい1本でした。

 

eternity-movie.jp