Life is a showtime

やりたい事とか日記とかをつれづれなるままに……

(読書)シャッター通りに陽が昇る/広谷鏡子~まちおこし小説から思う、転がりはじめの面白さ

出張中に読んだ1冊。

作中ではさぬき亀山市となっているが、実際に参考としているのは香川県丸亀市。どこにでもあるシャッター通りの商店街を活性化を題材にした小説です。

まちづくり好きとしては面白く読ませていただきました。

田舎ならではの縄張り意識やメンツの中、東京から戻ってきた主人公のアラフォー女子が奮闘する小説になっています。

 

物事が始まりはじめる熱量、その部分の面白さが伝わってきます

仕事でいろいろプロジェクトの立ち上げをやりますが、この転がりはじめほど楽しいものはありません

次から次へとアイデアが浮かび、それが結びつき、さらにいろんな人を巻き込むことによってブラッシュアップしていく。

それはプロジェクトの育成ゲームをしているような気分になります。アドレナリンでるんですよね…。

 

エンタメ小説として軽く読めますが、いくつか実際のプロジェクトでも役にたつことが描かれていました。

 

儲からんでは何度でもやる気にはなりません。

理念だけでは単発ではできても長続きしません。やはり儲かることというのは、続けるために重要なファクターです。

 

機が熟してないのに仕掛けてもコケる。

タイミング、そして受け入れ態勢というのが大事。それができていないのに仕掛けてもダメ。

 

どんな仕事でも頭は使える。脳がかゆくなるくらい、頭を使う余地はあるということだ。

クリエイティブなことはどんな仕事にでもある。事務もどうすれば効率的になるのか、どうすれば自分の仕事が他により影響を及ぼすことができるかと常々考えることって重要ですよね。

 

 

本書を読んで思うのは、地域活性化としてイベントだけを単発でやっても意味がない。それはあくまで打ち上げ花火であり、それをどう定着させるかという視点が必要であるということ。

それには外の地域からどうお金を地域に持ってくるか、そしてそれを地域でどう循環させるかを考えないといけません。

また最終的な活性化とは、人の定住だと思います。外から人を呼び込むよりも定住してもらった方が、人通りができますし、税金も落ちます。

 

つなげること、定着の重要性

 

シャッター通りに陽が昇る (集英社文庫)

シャッター通りに陽が昇る (集英社文庫)