★★★★
野村萬斎・香川照之が主演をはる池井戸潤原作作品。予告編から香川節がさく裂していましたが、本編でもなかなかのさく裂ぶりでした。
中堅電機メーカーの不祥事を暴く企業サスペンス。
役員、親会社、出向、部長、課長、経理、下請けなどなど様々な立場での立ち振る舞い、それぞれが知ってか知らずか会社のためということで動いているはず。
秀逸なのはエンドロールで、主人公、野村萬斎が語る言葉。
「人間は不正をするもの。ただ日本人はどこかお上の顔色を窺うから、より一層にたちが悪い」というようなことを述べています。
本作は、「お上」の顔色を伺いつづけた末の不正ということになります。これはサラリーマン社会の悲しい一面です。
頼るものが会社だけというのは、こうした結果につながります。収入や人間関係など会社外にも持てというのもこの作品のメッセージのひとつだったと思います。