Life is a showtime

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行きなさい。振り返らずに。~映画『ベルファスト』を観てきた。

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★★★

 

北アイルランドベルファスト。あのタイタニック号もこの町でつくられました。造船業で栄えた美しい港町の空撮から始まるシーンから始まる。本映画は、1969年、北アイルランドの独立、カトリックプロテスタントの対立で揺れる町が舞台となる。

 

ほぼ全編モノクロで描かれる物語は、監督ケネスブラナーの幼少期の自伝的映画という。

少年が、大人たちの対立、両親の不和、近所との交流、テストや万引き、小さな恋心、そして暴動を経験する。

 

この映画ではいろいろと名言が語られます。

祖父は、算数を教えるときに「字を少し汚く書きなさい。そうすれば選択肢が増える。あとは良いように汲み取ってくれる」というようなことを述べ、選択肢を広げることの大事さを伝えます。

 

そして何よりも一番は、映画の終盤、祖母のアップ映像とともに語る『行きなさい。振り返らずに。』という言葉でしょう。

心に染み入ります。子を送り出す時の気持ちもこう描かれます。子を持つ親はこういうものなのでしょうね。

 

アイルランドは、昔から旅人だった。だから世界中にパブがある。そんなことも述べられています。そこは国という帰属意識から離れた一つの価値観を示しています。

 

この映画エンディングで、この映画を故郷を離れた人、残った人、そして亡くなった人に捧ぐとテロップで出ます。

それぞれの道があり、考えた先の人生であれば、それはその人の人生だった、ということ。それは誇られべきという人間賛歌の物語でした。

belfast-movie.com

 

(読書)ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式/山口周

2019年に出版され結構売れたビジネス書ということです。

最近、経営者が変わり考え方が変化しつつある中、これからの時代の身の振り方を考えることができた一冊になります。

 

まず著者は、世の中のトレンドを下記のようにとらえています。

[メガトレンド1] 飽和するモノと枯渇する意味
[メガトレンド2] 問題の希少化と正解のコモディティ化
[メガトレンド3] クソ仕事の蔓延
[メガトレンド4] 社会のVUCA化
[メガトレンド5] スケールメリットの消失
[メガトレンド6] 寿命の伸長と事業の短命化

これらは物質的豊さとテクノロジーの進歩で、『モノが過剰になり、正解がコモディ化する』。結果、「問題解決、モノを作りだす」能力に重きがおかれていたことから「問題を自ら発見し、意味を創る」能力が重宝されるようになるということに基づいています。

ここでいう「問題を自ら発見」とは課題は自分で設定する(上からの押し付けではない)ということ。また「意味を創る」とは、「役に立つ」から「意味がある」ことが大事ということになっていくということが述べられています。

 

オールドタイプが得手としていた、「経験」「予測」「最適化」が無価値化していく世の中が来るとしています(というよりもそういう人間が次の社会を作っていく)。

 

この根本的な考え方のもと、具体的には下記のような人材が求められるようになるだろうということです。

 

■価値創造――問題解決から課題設定へ
1 問題を解くより「発見」して提案する
2 革新的な解決策より優れた「課題」
3 未来は予測せずに「構想」する

■競争戦略――「役に立つ」から「意味がある」へ
4 能力は「意味」によって大きく変わる
5「作りたいもの」が貫通力を持つ
6 市場で「意味のポジション」をとる
7 共感できる「WHAT」と「WHY」を語る

■思考法――論理偏重から論理+直感の最適ミックスへ
8「直感」が意思決定の質を上げる
9「偶然性」を戦略的に取り入れる
10 ルールより自分の倫理観に従う
11 複数のモノサシを同時にバランスさせる

■ワークスタイル――ローモビリティからハイモビリティへ
12 複数の組織と横断的に関わる
13 自分の価値が高まるレイヤーで努力する
14 内発的動機とフィットする「場」に身を置く
15 専門家と門外漢の意見を区別せずフラットに扱う

■キャリア戦略――予定調和から偶有性へ
16 大量に試して、うまくいったものを残す
17 人生の豊かさは「逃げる」ことの巧拙に左右される
18 シェアしギブする人は最終的な利得が大きくなる

■学習力――ストック型学習からフロー型学習へ
19 常識を相対化して良質な「問い」を生む
20「他者」を自分を変えるきっかけにする
21 苦労して身につけたパターン認識を書き換える

■組織マネジメント――権力型マネジメントから対話型マネジメントへ
22「モビリティ」を高めて劣化した組織を淘汰する
23 権威ではなく「問題意識」で行動する
24 システムに耽落せず脚本をしたたかに書き換える

 

非常にわかりやすい視点で書かれています。

実際40歳にもなった自分としては、動きづらい部分もあります。ただ、こういう人が輝く社会にしていかなければならないという視点を持つことは大事だと思います。

すべてを自分でやるわけにもいかないことに気づいたこの年頃、組織論の人材開発論としても面白く読ませていただきました。

 

 

ウィル・スミスで注目された『ドリームプラン』を観てきた

ドリームプラン

★★★☆

 

アカデミー賞でのウィルスミスの暴行が話題になりましたが、その前から観にいかねばと思いつつ、公開最終日に駆け込みで観てきました。

世界最強のテニスプレイヤーと称されるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹がどのように育てられたかという実話を元にした映画。

 

「私には夢がある」というのはキング牧師の演説です。本作はそれを彷彿とさせての邦題(原題:KING RICHARD)なのでしょうか。

主人公リチャードは、2人の姉妹を世界一にするための「プラン」があるといい続け、それをやり遂げていく。

 

単なるテニス映画では終わらない。テニス漬けで娘が壊れてしまわないように、謙虚さや勉学、外国語を習得させるなどその裏にある家族愛を感じます。そして終盤の夫婦喧嘩の際に見せる、父の弱さ。実は不安なのではないかということを妻に指摘される。

 

その後、ビクトリアに掛けた言葉、『お前がこれから開ける門の先にはとてつもないものが待っている。だけどもその後ろにはすべの黒人がついている』という言葉の重みが凄すぎます。

おおかみこどもの雨と雪」でもあった子どもの巣立ち。父は自分がみてあげなければと強くおもう一方、子どもは着実に大きくなっている。そう彼女たちの人生なんだから。親ができるのは、その助走を一緒に走ってあげらることだけなんだということ。

 

本作は、基本的にはビクトリアの話ですが、少しセリーナも触れられています。終盤に父がセリーナにかける言葉。「お前にもプランがある」セリーナはこの言葉で救われたでしょう。

 

 

wwws.warnerbros.co.jp

高評価で外れなし!アンディ・ウィアーのSF小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

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最近のSFヒット作というと『三体』ですよね。全5巻という超大作でしたが、コロナ禍ということもあり、はまって読んでしました。

lifeisashowtime.hateblo.jp

 

そんなSF界で、面白い!という噂だった『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読了しました。アンディ・ウィアーという映画『オデッセイ』の原作を書いた人の最新作になります。

宇宙船に一人。なぜ一人なのか?この宇宙船の目的は?そこから上下2巻の物語が始まります。

帯にもありますが、現代科学技術の基本を元にここまで描けることが凄い。学校でならった程度の科学知識でスラスラ理解できます。

ネタバレがない方が、楽しめると思いますので、これから読む方は下記は読まないでください!

 

 

 

 

<以下、ネタバレ含む>

 

地球の滅亡が迫る中、宇宙に送り出されたのが主人公。地球滅亡の原因が、アストロファージという太陽のエネルギーを食べる細胞であることが書かれている。このアストロファージに侵されていない星にその理由を探る旅に送り込まれてた。

驚くべきはこのアストロファージが増殖しない理由についてが、現代生命科学の延長戦線上で落とし込んでいること。

そして何よりも本書の面白さは、なんといっても地球外知的生命体とのファーストコンタクトについてでしょう。未知の知的生命体との交流の過程、どのように交流をするのか。ここの描かれ方が、そうかそうやって交流を始めるのかとこれも現代学問(こちらは言語学でしょうか)をもとに書かれています。

 

やっぱり科学は面白い。

 

 

 

 

2年半ぶりのフルマラソン!淀川マラソンを走ってきた!

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コロナ禍で軒並み中止になったマラソン大会。今シーズンこそはと思っていましたが、当たっていた大阪マラソンは中止。ナゴヤシティマラソンも検討しましたが、ハーフマラソンで1万円なんて払えません……。

ということで探していたところ、淀川マラソンという大会が追加募集をしていたので申し込んでみました。

 

守口駅から10分ほど歩いた場所にある淀川河川敷からスタートしハーフのコースを2周するというマラソン大会でした。

前日・前々日に雨が降ったこともあり、下がぬかるんでいる場所もありましたが、許容範囲でした。なお参加者ですが、フルマラソンが1800名、ハーフが700名ほどということです。

この時期にマラソン大会に出る人なので、わりとガチな人が多く、男性が多かった印象です。マラソンブームの前に戻ってしまいましたね。

 

僕自身の参加はというと、ブログを振り返ると、2019年秋の大阪マラソン以来、2年半ぶりのフルマラソンとなります。大阪マラソンでは、ペースを間違え渋い結果だったのを思い出します。

記録は?

さて今回のフルマラソンの記録は、手元の時計で、4時間30分47秒(ネット)となりました。

ラップも記載しておきます。

1キロごとのラップも記しておきます。

1km 6:23
2km 6:16
3km 6:35
4km 6:31
5km 6:28
6km 6:25
7km 6:27
8km 6:45
9km 6:48
10km 6:33
11km 6:31
12km 6:21
13km 6:32
14km 6:34
15km 6:31
16km 6:42
17km 6:31
18km 6:24
19km 6:37
20km 6:29
21km 6:10
22km 7:22 ※1.0975 の距離表示
23km 6:49
24km 6:30 ←アミノバイタルチャージ
25km 6:48
26km 6:40 
27km 6:27 ←音楽チャージ 
28km 6:20
29km 6:32
30km 6:27
31km 6:33
32km 6:26
33km 6:25 ←即効元気チャージ
34km 6:25
35km 6:30
36km 6:24 
37km 6:38
38km 6:29
39km 6:26
40km 5:22
41km 5:24 
42km 4:34 ※ベストラップ
Finish 4:30:27

 

河川敷コースということで記録も狙えそうだったのですが、風が強い時もあり、ほぼ予想通りの4時間半という結果になりました。ちなみに個人的にベスト記録は、2018年の東京マラソンの4時間26分27秒(ネット)です。

ラップを見ての通り、39キロの時点で、このままでは4時間半は切れないと思い、猛スパートをかけました。これぐらい体力残っているのなら、もっと早くからペース上げろよと思いますね。

久しぶりすぎてペース配分と体力の残りの感覚が忘れてしまっています。

 

11月ぐらいから走ってきましたが、まぁこんなもんかなぁというところです。本当は5月ぐらいまででもう1回出たいところですが、次は秋シーズンかなぁ。

 

lifeisashowtime.hateblo.jp

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反戦の象徴、ゲルニカを題材にしたアート小説~暗幕のゲルニカ/原田マハ

初めて、原田マハさんの作品を読みました。

実在をもとにしたフィクション。特にご本人が美術館員をやられていたということで、アートを題材にした作品が多いです。

本作はタイトルの通り、ピカソゲルニカが題材。

 

題材になっているのが、2003年のイラク攻撃の際に国連のゲルニカタペストリーに暗幕がかけられたという事件。これは事実。

そして今年、実は2月まで国連のゲルニカタペストリーはロックフェラー家に返却されており、国連に再び還ってきたと同時にロシアのウクライナ侵攻。。。

そんなタイミングでの読書でした。

 

本書は、2つの時間軸が並行して書かれています。

スペイン内戦がテーマで書かれた「ゲルニカ」。1943年のパリ万博の出品のため書かれたこのころは、ヨーロッパにナチスの足音が響きつつある頃。

もうひとつは、アメリカがイラク侵攻をする2003年。

 

そしてに読んだのがロシアがウクライナ侵攻をした2022年。どうしても読んでいるときにウクライナ侵攻を思い浮かべずにはいられませんでした。

現実的には核武装論まで出て生きている今の日本。ピカソやこの本の主人公のように文化で戦うというのはお花畑なのかもしれません。軍備強化を図るというのは頭ではわかっているが……。

自分にできることで、戦争を非難したということは胸を打つものです。

人の愚かさというのは愚かさを繰り替えすものだと思う、読了後です。

 

 

伝説のライブを大画面、大音量で~映画『THE BEATLES~GET BACK ルーフトップ・コンサート』

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★★★☆

知人から薦められて公開最終日に観てきました。

久しぶりのIMAXレーザーでの鑑賞です。

 

1969年1月30日のロンドンの屋上で撮影されたビートルズの「ルーフトップコンサート」の映像作品。

音を聞いて立ち止まる通行人。警察などが来るなどのドタバタが収録されています。のらりくらり交わす主催者。このあたりの攻防、面白いです。こういうのありますよね。

 

これを観るとアルバム「Let it be」を聴きたくなります。というかポールってやっぱり凄いなぁと。レジェンドですね。

 

それにしてもIMAXってすごいなぁと。そして今回のリマスター版の音と映像のクリアさに驚きました。大画面、大音量で観てよかった作品です。

 

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