Life is a showtime

やりたい事とか日記とかをつれづれなるままに……

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

喪失と再生、死が内在する生、村上春樹が常々テーマにする要素が多分に含まれた作品~映画「ドライブ・マイ・カー」

★★★★ 遅ればせながら『ドライブ・マイ・カー』を観てきました。 小学校5年生の時に『ノルウェイの森』を読んで以来の村上春樹好きとしては、素晴らしく村上春樹ワールドを体現してくれた作品でした。 村上春樹が多くの小説の中でたびたびテーマとして取り上…

環境をめぐる大きな利権~グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす/森川 潤

SDGsが叫ばれるようになって、急速に動き出した脱炭素。その動きを網羅的に書かれている1冊になります。 これを読むと、「環境」という大義名分を切り口にした大きな資本主義の流れということがわかります。地球温暖化が問題なのは事実なのですが、それに資…

理系的思考でアプローチする自己啓発本〜ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考/高橋祥子

東京大学で遺伝子解析の研究をし、バイオベンチャーを立ち上げた著者によるビジネス本。根本的に理系的思考があることで通常の自己啓発本とは一味違った切り口になっています。多くの自己啓発本が科学的思考が欠落しているのに対して、ある一定の著者の考え…

感情移入できるブラック企業対峙小説~風は西から/村山 由佳

”タミオは広島のタカラだ” 本書のタイトルは、奥田民生の名曲「風は西から」から取られている。全くあらすじを知らずに、爽やかは恋愛小説だろうと思って読み始めました。冒頭は本当に絵にかいたような爽やかな20代の恋愛小説でした。 それが途中から彼が務…

事実は映画よりも奇なり!グッチ家崩壊の物語をめちゃくちゃわかりやすく描いた『ハウス・オブ・グッチ』

★★★☆ イタリアのファッションブランド「グッチ」。その創業家の崩壊の物語ということで、映画ファンならずとも興味がそそられる1作でした。 巨匠リドリー・スコット監督が、ファッションブランド「GUCCI(グッチ)」の創業者一族の崩壊を描いたサスペンスド…

未来について老人は悲観的に、若者は楽観的に考える…『2040年の未来予測/成毛 眞』

18年後の未来について書かれた本。 18年前って、2004年。インターネットは当たり前だけれどもスマホ以前。 テクノロジー、経済、生活、災害と4つのジャンルに分けて書かれています。 テクノロジーについては多少明るい話題もあるが、全体的に暗い未来が書か…

歌とは伝えること。新しい音楽映画は、親に聴覚障害を持つ娘の青春映画だった~映画『Coda~あいのうた』@109シネマズ名古屋

★★★☆ 気になっていた音楽映画『Coda』を観てきました。鑑賞後に調べたのですが、Codaとは、「Child of Deaf Adults」のことだという。Deaf は聾唖(ろうあ)。つまり聴覚障害。両親、加えて兄が聾唖という家に生まれた娘が主人公の映画です。 豊かな自然に恵…

間取り図から広がる話は、まさかのホラー…『変な家/雨穴』

不動産の間取り図マニアという人が世の中にはいる。マニアほどではないけれども間取り図を見ることは面白い。 そこには人の流れが感じることができるからでしょう。 本書は、そんな「間取り」が表紙に描かれています。ある番組で紹介されていたので読んでみ…

エンタメ批評を書くためのツールを教えてくれる『批評の教室~チョウのように読み、ハチのように書く』

本ブログでも、本や映画などの感想をつらつらと書いています。本であれば多少のメモを元に書くこともあるのですが、映画においては本当に思いつくままに書いていました。 綺麗な批評ブログでは、なかなかまとまっていて、映画を観たくなる、本を読みたくなっ…