Life is a showtime

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ザ・ニュースペーパー@中日劇場

お笑いのライブというものはほとんど行ったことがなかったのですが、少し前にテレビでブレイクした「ザ・ニュースペーパー」が名古屋に来るということで行ってきました。

ザ・ニュースペーパー」といえば社会風刺のモノマネコントということで、期待通り、安倍首相ネタで30分近く引っ張ってくれました。他にも小保方さん、佐村河内守小泉純一郎と予想通りのネタが並ぶ十分なエンタテイメントでした。
 

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社会風刺ネタが受ける条件

個人的には十分面白かったショーでしたが、少し考えることもありました。思いついたこと2点を記しておきます。
  • 景気が悪い方が、社会風刺は受ける
  • 500人ぐらいの小さい小屋の方が受ける
まず、景気と社会風刺について。景気が悪いと庶民は、お上のせいにしたくなります。人間は他人の責任にしたくなる生物ですもんね。すると当然、社会風刺が受けます。
社会風刺としての笑いの仕組みを考えてみると、風刺される相手は強い人(権力を持っている、お金持ち)となります。
庶民がなんとなく感じている不満をその権力者の矛盾を付くことによっての笑いが風刺ということになります。
そして庶民の不満が大きい方が、エネルギーが溜まっているので笑いが大きくなります。
現在、景気はやや上向きということで、安倍首相の支持率も高い、その中での風刺となると少しやり辛いのかもしれません。
今回のザ・ニュースペーパーのショーの中では、安倍首相の矛盾点を指摘しつつも、甘利官房長官との官邸コントという形で、第三者を出すことで社会風刺に仕上げていました。
 
もう一つ、劇場について。今回中日劇場と中々大きい小屋での公演でした。風刺劇というものは本当ならばもっと小さい小屋(500人ぐらいまででしょうか)での一体感があった方が、面白いのだろうなぁと思います。
まずセットがほとんどない。そのため大きい劇場だとステージがどうしても寂しく見えてしまいます。
一方、風刺劇自体が一歩間違えば、悪口・陰口に捉えられかねません。人数が多いと客観的に見る自分がいて、「こうしたことで笑う自分でよいのか」と自問の余地が入ります。小さい小屋の方がそうした邪念が入り込む余地は少ないでしょう。(舞台に集中できるから)
 

視点の勉強としての社会風刺

社会風刺を見ていて面白いのは、そういう視点があったか!という驚きです。ネットの台頭により時事ネタについての様々な視点・見解がネット界隈では溢れています。
しかしそれをモノマネ付きで見せてくれるのが、ザ・ニュースペーパーのショーの面白いところ。
ネタの中で、なるほどと思ったネタを一つ。
 
安倍首相がこの春に詠んで話題になった
『給料の 上がりし春は 八重桜』という俳句について。
八重桜というものは、庶民の行くお花見会場にはほとんど植えられていない。ほとんどはソメイヨシノである。つまり給料が上がったのは一部の企業だけでしたという風刺を読みとれると解説していたのが、笑えました。
 
ネットでは消費税のUPについて言い換えた俳句のパロディが出回っていましたが、ここはプロの視点だなと感心。
こうした視点については勉強になりますね。