ローマの帝政前では、おそらく一番のスーパースター、ユリウス・カエサル。それは著者もそう思うようで、ルビコン以前・以後と併せて六巻を費やしています。
正直、「匙は投げられた」とか「ブルータス、お前もか」といった名言については知っているものの、不勉強でカエサル自身が何をした人なのかはよく知らないままでした。
本書では、スーパースター、カエサルが「匙は投げられた」と言ったルビコン以前について書かれています。
青年時代には亡命をし、そこから本国にもどり政界へ遅咲きながら進出し、ガリア戦役で武功を立て、スーパースターになるあたりまでが本書。
本シリーズの前半は、前の「勝者の混迷」とかぶる部分が多くあり、ここで不遇の青年時代について、そして女にもてたという人間的魅力が存分に書かれています。
後半は、ローマ政界で遅咲きながらデビューし、その立ち回りの上手さを見せます。そして財力を持つクラッスス、武功で名を馳せたポンペイウスとともに三頭政治をスタート。
そして本人は、ガリア戦役で功績を積みます。
このあたりは、本当にワクワクしながら読み進められます。
カエサルの魅力とは
思うに、カエサルの魅力は、
- 晩成型(不遇の青年時代)
- 女にもてた(人妻ばかりを相手にし、その愛人の子も慕うほど妬まれない性格)
- 情報通
- 知識人
- 大胆なお金の使い方(お金の大切さは知っていたが、私財を蓄えることには無関心)
- 従来の考え方には捕らわれず、行動は大胆
- 人望が厚い
- 人身掌握に長けている
次は「匙は投げられた」後、どうなったかですね。
ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) (新潮文庫)
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