何か旅行記ものを読んでみたくなり手に取りました。
56歳の著者がオートバイにまたがり、ペルーからチリ、アルゼンチン、ブラジル、ギアナ、ボリビアを回ってペルーに戻る旅行記。
ゲバラも若い頃、オートバイにまたがって南米を旅しています(モーターサイクル・ダイアリーズ ですね)。
旅行記には珍しく結構淡々とつづられています。興味深かったのはチリの部分とボリビアの部分。
まずチリに関して『ラテンアメリカで賄賂が効かないのはチリとキューバぐらい』とあります。どちらも社会主義国。キューバはゲバラをはじめ革命で社会主義を実現した国、一方チリは世界で唯一、自由選挙で社会主義を選んだ国。
どちらもONE FOR ALL的な精神が根付いているのでしょうか。ちなみに著者は、チリ贔屓。日本人にとって、旅行しやすいのでしょうね。
(実際10年近く前に行った僕もそう思います)
もうひとつはボリビアの下り。
ゲバラが射殺されたイゲラ村で、ゲバラに最後の食事を運んだ女性へのインタビュー部分。
食事を運んだという教師フリア。ほんの数十分の会話で、彼女の人生は変わる。その後、ゲバラ最後の愛人などと評され人生が無茶苦茶になるも、ゲバラを恨みはしない。
ゲバラの高潔さ、カリスマ性が彼女の心を引きつけたのでしょう。この部分は読み応えあります。
ゲバラの名がついていますが、ゲバラに関する記述はボリビア以外はほとんどありません。
しかし対アメリカということの象徴として、ゲバラを大きくしたラテンアメリカという土地として、このタイトルだったんだろうなぁと感じます。