★★☆
「シンブンシ」と名乗った新聞紙を被った予告犯。ネット上で犯罪を予告し、世直し犯罪を実行していきます。
おそらく原作は面白いのでしょうけど、どうもそのテンポ感が出ないと思ったのは僕だけでしょうか。やはりネットものはそのテンポ感が大事だと思うのでこの星です。
演出としての最大の見所は、長回しの逃亡シーン
ただこの映画での最大の見所は、生田斗真演じる予告犯と戸田恵梨香演じる捜査官の長い逃走シーン。ネット的なテンポ感とは反するこのアナログな逃亡カットは、ドキドキさせられました。
逃亡の末の越えられない壁越しの会話シーンも印象的でした。ここは見応えあり。
考えさせられる現代日本社会の問題
この映画(原作)は扱っているテーマが興味深いです。
扱っているテーマとして、ネット予告、ブラック企業、格差社会、派遣問題と現代社会の問題で考えさせらることが多いです。
特に一度、レールを踏み外した後のリカバリーの難しさという問題は考えさせられます。
生田斗真と戸田恵梨香は、ある種の鏡である設定です。つまり、底辺からもがくとき、正攻法として登った人とアウトローな方法をとった人。そして二人とも「誰かのため」に動いたということ。
映画中出てきた言葉。
どんなに小さなことでも人は動くんだ。
それが誰かのためになるのなら。
この作品は、小さな反逆を描いた人間ドラマ。それは小さく社会の中では、おそらくごまんとある物語。それをネット予告ということで少しスポットが当たった。
実はそんな作品だと感じます。