根底に流れるのは「問題意識」
本書は生き方指南の本ですが、その根底にあるのは「問題意識」というものでした。
その前提条件として、著者をはじめとした若者は、残念ながら「死ぬまで低位賃金で働く」かざるおえない世代となっています。
普通なら悲観にくれてしまうでしょうが、著者は(上の世代とは)違った価値観で、希望を見出しています。
それが「問題意識」を持ち「問題解決」することによる充足感を得ようというものです。これは、お金的な幸せからの解放になります。
著者の言葉を借りると、マイホームに住んで自動車に乗るという幸せの概念は、なくなりはしないが減っていくだろうということになります。
また、最近の若者は上昇志向がないということに対しても、上昇志向の方向性が多様(「出世」「お金」➡︎「社会問題の解決」「影響力を持つ」「自由でいること」)になっているのではないかと指摘しています。
この指摘は、一理あると納得します。
世の中は様々な問題にあふれており、それに気づかずにやり過ごしたり、気づいていても見て見ぬ振りをして過ぎていきます。
「問題意識」を持って働くということは、モチベーション源泉になります。
その上で、著者は「働き方」について3つの行程を提示しています。
- Why なぜやるか
- How どうやるか
- What 何をやるか
これをはっきりさせておくと旗を立てやすいということです。この順番も大事だということです。
スキルについても言及がありました。
スキルは問題発見を行うためのレンズ
これって、なるほど!という発見でした。例えば、自分が飲食業界にいるのであれば、行ったレストランの長所・短所・改善点などをパァーと思いつきます。経理なら財務的なところに関してアドバイスできます。
専門分野があるといろんな問題点を見つけることができます。
発見した問題をどうするか。
それが、この本のタイトル「旗を立てる」ということ。
「旗を立てる」、そしてそれの解決を仕事にするというのがこれからの希望だ、というのが本書の趣旨だったと思います。
本書に仕事に関しての言及があります。
仕事の喜びの本質は、お金でなく「問題解決」にこそある
これが減少社会の一つの解決策だということに納得させられる1冊でした。
旗を立てて生きる──「ハチロク世代」の働き方マニュフェスト (就職しないで生きるには21)
- 作者: イケダハヤト
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2013/06/15
- メディア: 単行本
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