★★★☆
あまりにも大絶賛評が多かったので観てきました。
舞台は戦時中の呉。そうつい先月に行ったばかりの呉の街が主な舞台でした。かつて東洋一の軍港といわれた町。背後に山が迫る港町。その山の手の一角に主人公が嫁いだ家があります。
やはり行った街が舞台だと非常に親近感がわきます。中心部に流れる川や呉駅の南の「大和ミュージアム」のあたりが軍の工場だったんだとか。
映画の魅力のひとつは、「のん」の天才的な声優っぷりでしょうか。広島弁好きの僕としてはもう、天然っぽくしゃべるそのセリフに心を撃ち抜かれっぱなしです。
ストーリーとしては、戦時中という特殊な状況下でも、その場を工夫して生きていく日常が描かれています。そうみんな「生きていく」ということに必死な様子が今の時代では染みるのではないのでしょうか。
この映画、冒頭に監督のコメント映像が流れます。そこでは「戦時中という時代の片隅で生きたヒロインと今の時代の片隅で生きる自分たちがどこかでつながっている」というようなことを語られていました。
人はどんな時代であれ、その片隅で生きている。
そして必死に生きているからこそ美しい。
ヒロインは戦時中という時代でも必死に生きていた。では僕たちは、どうあるべきなんだ?そんなことをスクリーンから問われるような映画でした。