以前読んだ著者の前著『日本史の謎は「地形」で解ける』があまりに衝撃的な内容で、その続編を読んでみました。
本書は前著の内容を踏襲しつつ新ネタをいれて再構成されています。ですので既出のものもあり、前回ほどの衝撃はありませんでしたが、それでもフムフムと関心しながら読み進めました。
日本人の最大の特徴は「縮める」ということ
本書ではいくつか日本人だからこその特徴を挙げています。その中で繰り返し出てくるテーマが「縮める」ということ。
それには日本の地形が影響しています。
著者曰く、古くから日本は歩いて旅をする文化でした。山が多く、川がある地形。大陸諸国のように馬を中心とした移動手段が発達しなかったのはそのためです。ですので旅の荷物はコンパクトでなくてはいけない。
本書の例では、将棋の駒はそういった過程で進化して現在の形になったという考察が述べられています。
日本では、ものを細工します。細工をしないものは「不細工」として扱われます。細工することこそ必然であり、美ということです。
これは一朝一夕でできるものではありません。DNAに染みついているレベルだと。
こういわれると納得です。
ものごとには理由がある、という考え方があります。様々な人が考察した結果が現在のアウトプットになっているということです。
本書は、そのインプット部分を地理学や気象学によるものとして考えています。
歴史やプロダクトデザインについて、人文学的考察からはいることが多い中、こうした考え方をとることは珍しいです。本当に勉強になる1冊。おススメです。
日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)
- 作者: 竹村公太郎
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/02/05
- メディア: 文庫
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