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(読書)日本史の謎は「地形」で解ける【環境・民族篇】/竹村公太郎

歴史を地理学・気象学など理系的要素から考察するこのシリーズ。

先日読んだ【文明・文化篇】に続き、【環境・民族篇】も読了しました。

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環境・民族篇では地理学に加えて、気象・社会学的見地からも

本書では、基本的には広義としての地理学として、気象や社会学的要素も盛り込まれて様々な事例の謎を解いていっています。

その中で気になったものを一つ。

 

「なぜ大阪は日本の都市の『原点』であり続けるのか?」

 

というもの。大阪出身である僕としては非常に興味深いテーマになります。本書の例では、法善寺横丁の火災の際、路地を撤去することに反対した大阪人の主張が載せられています。

 

『袖が触れ合う距離が大事』

 

それを肌感覚で染みついているのが、大阪人なのです。それは大阪人の濃さにあります。その濃さが生まれた原因は、大阪平野の狭さに対しての人口密度から生まれてきたとしています。

ただ残念ながら近代の都市は、皮膚感覚をタブーとする作りになっています。街路は広げられました。日本では名古屋がそうですが、海外ではより皮膚感覚を感じにくい町のつくりになっています。

これはおそらくモータリゼーションの影響なのだのでしょう。日本は明治時代まで動力は一部の動物と人に頼ってきたので、町づくりにもそれを前提としたものが残っています。その最高峰が大阪の下町。

 

都市の魅力は路地に宿る

 

というのは僕の持論です。この持論を持つようになった理由が、僕が育ったのが大阪だったからということを認識する項目でした。

 

少しネタ切れ感もありますが、このシリーズは面白い。知的好奇心を満たすとはこういうことを言うのだと思います。

 

日本史の謎は「地形」で解ける【環境・民族篇】 (PHP文庫)

日本史の謎は「地形」で解ける【環境・民族篇】 (PHP文庫)