★★★☆
あまりに評判が良いので観に行ってきました。本年度アカデミー賞最有力候補ということです。
あらすじは、ミズーリ州の片田舎が舞台。レイプして殺された娘を持つ母が、警察の怠惰な捜査を挑発する広告(ビルボード)を建てることから始まる。
ある種の凝り固まった階層で和を保っていたコミュニティの崩壊、そしてそれに続くボタンの掛け違いの連続。
主人公の母、息子、警察署長、怠惰なマザコンの警官、その母、離婚した夫など主人公を中心にした人間関係がわかりやすく描かれていきます。
その根底には、人種差別問題や貧困問題の根深さ・そして連鎖があるということを暗に示唆しています。
一見重そうですが、それをユーモアを交えて軽く、そしてだからこそ重く感じる描き方の妙。
アメリカの階層社会の縮図だったり、ベクトルが違うことでの不毛さなど考えさせられることが多々あります。
なにより負の連鎖を断ち切ることに唯一大事なこと、
それは赦す ということ。
「寛大さこそ、正義」というのは僕のひとつのテーマですが、それを再認識させてもらった作品です。