適当に気になったので手に取った本。
不動産業界に身をおいた著者(『新版 家を買いたくなったら』などの著者)が書いた東京の魅力、そしてその東京でどうすればいいのか、何をすべきかといった、若者へ向けた啓発書になっています。
東京の魅力とは
まず前半は、具体的な東京の魅力についてのべられています。
なんといっても東京は「人との出会い」がある街。日本全国から集まってきます。この規模の人口集積は世界的にみても稀有な街となっています。
個人的に都市の魅力は、その後背地の大きさによると思うのですが、東京の場合は日本全国になります(福岡は九州、大阪は西日本ですね)。それだけの人が集まると多様な人と触れ合う機会が産まれます。これがなんといっても東京の魅力、そして若者にとって最大の刺激になります。
この出会いを生かすために具体的な地名も挙げられています。聖地といわれる場所に近くに住むのが良いということです。例えば、港区、谷根千、秋葉原、神保町、高円寺、多摩(?)、銀座界隈ということで日本橋、湾岸、月島、勝どきといったところとなります。
そして上京した際は、自宅、職場(あるいは学校)以外に心休まる場所としてサードプレイスをつくることの大事さも述べられています。東京には有象無象のコミュニティがありそれに属するだけで心休まります。
人間は帰属意識に支配されるものですから。
上京する若者へのメッセージ
後半は上京する若者へのメッセージ的な啓発色が強いです。
若者が一番持っている資産は「時間」。それを生かす手はない。どう生かすかそれは人と出会い、行動すること。
資本主義というゲームにおいて、大事なのは逆張りの発想で、インターネット社会だからこそ街へ出ることで差別化できるはずということです。
そのほか、著者の人生論から面白かったものを。
人生においてどうしても「運」という要素が多分に影響されるものです。著者曰く、この「運」を分散させる仕組みをつくることこそが安定的な人生を送れる秘訣と述べます。
具体的には、利益をシェアすること。この仕組みこそ、スランプの時のリスクヘッジになります。与え続ける人生こそが、まわりまわって自分のためになるということ。
著者の意見とも一致しますが、若者にとって大事なのは、「時間」「出会い」そして「行動すること」。
東京という街ならそれを最大限生かすことができます。世界的に言えば日本に生を受けただけでかなり恵まれており、そして東京にいるという希少性を生かさない手はありません。
若いうちに一度は東京に住んでみたいとずっと思っている僕でした。