タイトルに惹かれて読んでみました。
移住・定住を目的とせずに地域にかかわってもらう人を増やすというコンセプト。人口増ではなく(地域に関わる)人材増を目指す。結果として定住・移住するならなお良しとしているのが関係人口のプロジェクトとなります。
こうした地域活性プロジェクト(特に都会で)にかかわる人の特徴は、①ふるさと難民②ゆくゆくは移住③もやっとピープルの3つに分けられるとしています。
特ににふるさとを持たない①層、もともと地方出身だった②層、そして自分探し的な③層が参加してくるという。
著者が島根県出身ということで、「しまコトアカデミー」という活動を紹介しています。そのアカデミーでは冒頭、「島根県の人口は71万人、東京は1300万人。分子をあなた自身である1を置いて、分母を人口とした場合、1人の重みが大きいのは島根である」ということを説明するそうです。
この考えには、うまいこというねぇと感心してしまいました。一人一人の役割、影響が大きいのは地方なのですね。東京(や大企業)では社会の歯車と感じてしまう世代(上記でいうもやっとピープル)には、非常にささるのではないでしょうか。
そんな本書ですが、残念なのは、この「しまコトアカデミー」の紹介に終始してしまっていること。もっと他の地域の紹介もしてほしかったです。
関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション
- 作者: 田中輝美,シーズ総合政策研究所
- 出版社/メーカー: 木楽舎
- 発売日: 2017/10/24
- メディア: 単行本
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