★★★☆
この秋の最大の注目作ということで鑑賞してきました。バットマンの悪役「ジョーカー」の誕生を描いた作品。
本作の注目点は、まずジョーカーを演じるホアキン・フェニックスの演技力。サイコ感、プシコ感、悲哀、喜劇、悲劇が織り交ぜての演技は素晴らしいものでした。間違いなくアカデミー賞候補でしょう。
そして脚本。喜劇と悲劇は紙一重、ヒーローとヒールも紙一重。人生において少しの違いが大きく結果の違いになること。そしてどうにもならないことが多分にある社会。
人生は辛く、美しく、やるせない。そんなことを十二分に味あわせてくれます。現代の分断されつつある社会を象徴する作品になっています。
そして全編にわたって引かれている効果音。不穏さや苛立ちをずっと持たされ続けられます。躁鬱を音楽と効果音で表しており、それが観客をも不快に快感の渦に巻き込みます。
素晴らしい映画ですが、2回目は観たくない。ただ映画史には残るので1度は観ておくべき、そんな映画でした。