★★★☆
本当に久しぶりのシネマテークでの映画鑑賞。「はちどり」の評判を聞いて観てきました。
非常に繊細な思春期(中二)の女子の物語。友情・恋愛・暴力・勉強・家庭……さまざまなことが、自分のまわりにとりまき、進んでいくそんな思春期。子どもと大人の間であるこの時期ならでは繊細な感覚。女性監督だからかその繊細さが全編にわたって伝わってきます。
設定は、81年生まれの監督の時代を追体験するような形になっています。ただこの思春期の主人公の感情はいつの時代も同じなんだろうなぁと思います。
CASTの中での魅力は、まずは主人公ウニを演じたパク・ジフのかわいいこと。ボブヘア。可愛すぎです。影がある感じも素晴らしい。
そして、なによりウニのメンターとなる、漢文教室のバイトの先生を演じるキム・セビョク。こんな先生いたら、もう惚れてしまいます。同性だからわかるのであろう、14歳の女子に対しての静かなる導き。
『自分が知ってる人達の中で、本心が分かる人は何人いる?』という質問では、ウニに「世界は、自分と他者でできていて、多くの他者はわからない。だから理不尽だし、そして面白い」ということを悟します。
そして最後の手紙。
「世界は不思議で美しい。
今度会ったら全部話してあげる。」
世界に飛び出していく瞬間の14歳。
そんなときにこうやってかごの扉を開けてくれる人がいたら…、それは素晴らしいこと。