大好き塩野七生のエッセイ集。
文藝春秋に連載していたものをまとめたものになります。10年以上前(小泉首相時代)のものなのですが、歴史を生業にしてきた著者らしく、今でも通じる金言に溢れています。
人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない(カエサル)
寛容、敗者の受け入れこそがローマ
外交は血の流れない戦争
政策の継続性が保たれなかったことこそが、三世紀ローマの諸悪の根源
敵の考えたことであっても「使える」と思えばまねる
いかなる事業といえど、その成否は、参加する全員が利益を得るシステムをつくれたか、否か(マキャベリ)
いかなる分野でも共通して必要とされる重要な能力が想像力だ(マキャベリ)
自己反省は絶対に一人でやらなければならない。決断を下すのも孤独だが、反省もまた孤独なものである。
感覚の冴えを持ち続けることがプロとアマの差
アマがプロを超えるのは、プロならば考えもしなかったことをやる時。それには徹底した現情直視と常識にとらわれない自由な発想が必要。
天国に行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知すること(マキャベリ)
武器を持たない預言者は、いかに正しいことを言おうが聞き容れてもらえない。聞き容れてもらおうと思うならば権力を持つしかない。(マキャベリ)
寛容と多様性。
それほど強くなかったローマがなぜ帝国として長期にわたって君臨できたのか。本当に「ローマ人の物語」を教科書にすればいいと思う。人生で大事なことはだいたい書いてあると思う。