★★★
世界は広い、何にでもなれると信じていた無垢な少女時代。
勉強をし、働く。
しかし子育てが始まるとそれができない……。
韓国の暗い一面、儒教性というものなのでしょうか。閉塞感。それは日本のあまり触れられたくない嫌な部分を、さらに濃くしたもの。
本作はその閉塞感のうち、女性に対して持たれている部分をあぶりだしてます。おそらく儒教的なことに基をなしているのでしょう。なのでこの映画、アジア圏にしか通じないのだと思います。欧米ではこんな考え方信じられないでしょうね(欧米のすべてが正しいとも思いませんが)。
本質的に女性に対する男性の根底的な勘違い、視線。「そうじゃないんだよ……」と思っている部分が数多く描かれています。おそらく女性はわかる!という部分が多数あるのではないかと思います(僕の想像を超えて)。
同じく韓国映画『はちどり』でもこの女性の閉塞感は描かれていました(こちらは思春期の学生でしたが…)。日本にもありますが、上手くごまかされているのか、考えないようにしているのか。
また、年代的な設定もあるかと思います。
日本でいう就職氷河期にあたるのでしょう。団塊の世代、団塊ジュニア世代が上にいて幅をきかせる、自分の意見が正しいと耳を貸さない。世界には多様性があるというのを感じるようになった世代。
なぜ、父母はそれを理解できないのか……。
そんな狭間の世代。
日本中の全政治家が観るべき映画だと思う。少子化対策として。