昨年観た韓国映画「82年生まれ、キム・ジヨン」。韓国で社会現象にまでなった小説が原作ということで、読んでみました。
比べて読むと、映画と微妙に構成が違うのがわかります。映画は現在と過去が互い違いに構成されているのに比べて、小説は、基本的に生い立ちの過去から進んでいます。なので、ある女性(キム・ジヨン)の生い立ちが順序だててわかるようになっています。
その過程で、ずっと女性であるということで、社会的に不遇となり続けていることがわかります。
そして男性は、そのことを経験もしたことがないので想像できない。根底的な溝が横たわります。
もうひとつ82年。つまり現在の40歳前後という世代の問題もあるのかと思います。人口的にもおおい親世代。時代は変わったとはいえ、まだその影響は強く残ります。
日本においても就職氷河期といわれるように不遇の世代なのだと思います。キム・ジヨンの母、それでも娘には娘の人生をというスタンスなのが救いです。
なんだか読んでいて哀しくなる、そんな小説です。
嘆くしかないのでしょうか。