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(読書)せちやん 星を聴く人/川端 裕人

時々読んでいる、川端裕人さんの小説。そこに出てくる人はピュア。そして悪意がない世界というのが特徴。

世は悪意で満ちているので、小説の中ぐらいこういう世界があっても良いのではと思ったときに読むのにはピッタリです。

 

本書は、そんな著者のお得意の宇宙に関する小説。少年たちが夢見た宇宙人探し。それを思春期から壮年にかけて、主人公とともに追体験します。

時代に翻弄されるというとドロドロした雰囲気を思い浮かべるが、それでもどこかしら爽やかさを感じるのは、この著者ならではあると思う。

 

ちなみに本書では、お金や宗教など宇宙に関わると出てくる怪しい部分の登場人物も出てくる。ただそれもなんとなくサバサバしている。

 

子どものころ尊敬に値する師も、大人となってみれば腑がない中年に見えるということも多分にある。ただ、どこか自分としては信じたくないと思っている。

そんな大人になるということを追体験できる物語でした。

 

せちやん 星を聴く人 (講談社文庫)

せちやん 星を聴く人 (講談社文庫)

  • 作者:川端 裕人
  • 発売日: 2006/10/14
  • メディア: 文庫