★★★☆
吉田大八監督作品ということで鑑賞。斜陽である出版業界が舞台の企業劇。
素直に楽しい、エンタメ作品となっていました。
冒頭、犬の散歩シーンから始まる。激しくなるBGMとともに、犬がどんどん進み、飼い主の社長が手におえない。どちらが手玉にとっているかというこれから始まる企業劇を暗示させます。
ただ全編的に、騙しあいのバトルというよりも、このような生き方、考え方もあるということを痛烈にメッセージに感じました(もちろん極端な部分もあるので、その反論も含めて)。
大泉洋演じる編集者の「面白ければいいじゃない」「会社も雑誌も使い倒そうよ」、リリーフランキー演じる伝説の作家神座の「仕事は、難しくて面白そう」な方を選ぶやり方。
極端かもしれないが、こうした考え方も一理あり、僕の考え方も結構この考え方に近いものもあります。おそらく、編集者も作家も組織に属さないフリーランスに近い考え方を良しとする流れがあるからだと思います。
一見、純粋に楽しめる邦画エンタメ作品でありつつ、振り返ってみると考えさせられる部分も多い本作は、面白い作品でした。