映画化されたのを覚えていて、読んでみた作品。
いつもは京都が舞台の著者なのですが、本作は郊外の新興住宅地の少年とその周りに起こる不思議な世界の物語。
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を瑞々しくした世界というのでしょうか。
あくまでも少年目線で書かれている小説ということで、最初は違和感があったのですが、どんどん引き込まれていきました。
ペンギンを出すお姉さん、お姉さんにはおっぱいがあり、草原には観測所と秘密基地がある。
なんとも哲学的でもある設定。
終盤の「お姉さん」とのシーンとかは、細田守映画「時をかける少女」の名言「未来で待ってる」にも匹敵する、なんとも淡く、そして少年という何にでもなれる未来が合わさる素敵なエンディングでした。
梅雨の晴れ間に読みたいお話です。