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(読書)絶望を希望に変える経済学/アビジット・V・バナジー~人は簡単には変わらない……

最近のキャッチフレーズに、バラクオバマザッカーバーグ推薦など海外に著名人の名前が載る方法が多く出てきました。本書は、ビル・ゲイツ推薦の1冊になります。

著者は2019年のノーベル経済学賞受賞の学者になります。本のタイトルも非常に親しみやすそうな雰囲気が漂っていて手に取りました。

 

さて、読みだすとこれが読みづらい!学者が分かりやすく、例を踏まえて書こうとするとこうなるのか……。

例が多すぎるというか、訳が悪いのか。結論が分かりずらいんです。

 

450ページを超えるハードカバーで、一番印象的だったのは、「人は簡単には動かない」ということ

ここにいることが明らかにマイナスになるとわかっていても、現状維持バイアスというものは強く、たとえ補助金が出たとしても動かない人が多数いるということ。

そうですよね…。コロナが流行っても、出社を求める会社も多いですよね。

 

そのほか気候変動やベーシックインカムについての言及もありました。ベーシックインカムにおいては、たとえベーシックインカムを導入しても、人々は思ったほど働かなくなることはなく、ちゃんと働くということでした。

それは仕事に対しての帰属意識や尊厳的なものが作用するという説明がされていました。

先進国の政府は条件付の給付を好みますが(日本もです)、一律にやった方がコスト面では良いことも触れられています。

もちろんそのためには、社会保障制度改革も必要になります。年金制度や生活保護、失業保険なども変更・廃止の必要があります。どれでも継ぎはぎだらけのシステムのロスを考えると、一律もありなのではと個人的には思っています。

消費税が弱者にとって痛い政策なのであれば、一律給付は弱者にとっては有利な政策のはずです。

 

まあ日本では、あちこち利権が絡み合って導入無理でしょうけど。日本は絶望のままですね。