★★★☆
イタリアのファッションブランド「グッチ」。その創業家の崩壊の物語ということで、映画ファンならずとも興味がそそられる1作でした。
巨匠リドリー・スコット監督が、ファッションブランド「GUCCI(グッチ)」の創業者一族の崩壊を描いたサスペンスドラマ。サラ・ゲイ・フォーデンのノンフィクション小説「ハウス・オブ・グッチ」を原作に、グッチ一族の確執と3代目社長マウリツィオ・グッチ暗殺事件を描き出す。1995年3月27日、GUCCI創業者グッチオ・グッチの孫にあたる3代目社長マウリツィオが、ミラノの街で銃弾に倒れた。犯人の特定が難航する中、犯行を指示した驚きの黒幕が明かされる。マウリツィオの妻で、グッチ家の崩壊を招くパトリツィア・レッジャーニを「アリー スター誕生」のレディー・ガガ、夫マウリツィオ・グッチを「マリッジ・ストーリー」のアダム・ドライバーが演じ、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジャレッド・レトが共演。
僕自身は、グッチ家がこのように崩壊したことなど露知らず鑑賞しました。こうしたお家騒動について、一つ問題になるのが、人間関係がややこしくて頭に入ってこないということ。
そこを本作は見事にさばいています。本当にわかりやすい。
主人公のパトリツィアとマウリツィオの間には娘がいました。本作でも少し登場します。事件の後、この娘はどうなったのかが気になり、調べてみました。
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/vismoglie/2022/01/post-33.php
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/vismoglie/2021/03/post-21.php
調べてびっくり、映画では描かれなかった裁判後の世界が広がっていました。母娘の裁判騒動……。他にもパトリツィアの刑務所生活なども書かれています。
作品は、裁判までの物語が描かれているのですが、そこまででも、わかりやすくするために、端折ったり脚色されていることが分かりました(パオロの部分など)。
確かに冒頭「事実に着想を得た物語」とテロップが入っていました。
事実は余りにも無茶苦茶でドロドロだったものを、映画風に味付けされているのが分かります。
事実は小説より奇なりですが、事実が奇すぎるので、こうした脚色が必要だったのことがわかります。おかけで極上のエンタメ作品に仕上がっています。さすがリドリー・スコット作品といったところでしょうか。