★★★☆
アカデミー賞でのウィルスミスの暴行が話題になりましたが、その前から観にいかねばと思いつつ、公開最終日に駆け込みで観てきました。
世界最強のテニスプレイヤーと称されるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹がどのように育てられたかという実話を元にした映画。
「私には夢がある」というのはキング牧師の演説です。本作はそれを彷彿とさせての邦題(原題:KING RICHARD)なのでしょうか。
主人公リチャードは、2人の姉妹を世界一にするための「プラン」があるといい続け、それをやり遂げていく。
単なるテニス映画では終わらない。テニス漬けで娘が壊れてしまわないように、謙虚さや勉学、外国語を習得させるなどその裏にある家族愛を感じます。そして終盤の夫婦喧嘩の際に見せる、父の弱さ。実は不安なのではないかということを妻に指摘される。
その後、ビクトリアに掛けた言葉、『お前がこれから開ける門の先にはとてつもないものが待っている。だけどもその後ろにはすべの黒人がついている』という言葉の重みが凄すぎます。
「おおかみこどもの雨と雪」でもあった子どもの巣立ち。父は自分がみてあげなければと強くおもう一方、子どもは着実に大きくなっている。そう彼女たちの人生なんだから。親ができるのは、その助走を一緒に走ってあげらることだけなんだということ。
本作は、基本的にはビクトリアの話ですが、少しセリーナも触れられています。終盤に父がセリーナにかける言葉。「お前にもプランがある」セリーナはこの言葉で救われたでしょう。