Podcastで知った本。
国道16号線は、横須賀、横浜、町田、八王子、川越、柏、木更津と東京の郊外をつなぐ道路。
古代には山と谷と沢が広がるこのエリアは多くの人が住んでいた。海岸線がこの近くまであったことから貝塚が点在していた。
歴史の教科書では関東は、中世までほとんど登場しない。教科書的に関東が登場するのは、頼朝のころからです。そして江戸時代。
著者は、実は豊かな関東が存在し、それなりに人が暮らしていたはずであり、その町々をつないだのが国道16号線沿線だったはずであると位置付けています。
明治以降は、養蚕地と横浜をつなぐ道として発達。さらに戦中戦後は、軍事関連施設が配置され、それが米軍基地となる。そこで生まれた音楽たち。さらに都心のベッドタウンエリアとして人口を集積させていった。いわゆるロードサイドの発展、そして衰退。
国道16号線という道から日本の歴史、戦後経済、カルチャーを考えた面白い一冊でした。ライト版『銃・病原菌・鉄』とでもいうのでしょうか。カルチャーあたりまでを含む当たりが面白いですね。