佐賀県武雄市の図書館を巡る物語。TSUTAYAが指定管理者として運営し、その是非が話題になった図書館である。
本書はそのTSUTAYAを誘致した市長が書いた(というか口述したものをまとめた?)ものです。
今までの図書館をよりひらかれたものに、市民が使いやすいようにということが、本施策の根底にあります。
こうした奮闘記を読むのって面白ですよね。
開かれた公共施設について
公共の文化施設というとお高くとまった印象があります。それをあえて、わかりやすく市民側によってくるスタンスが大事。
公務員は住民のサービス業というスタンスが大事といいますが、それを本当に実践できるかがポイントとなります。できない言い訳ばかり考えているようではいけません。
本書内で、TSUTAYAの増田氏の発言があります。
『これからは、病院と図書館が地域の要になる』
これは僕自身も感じるところで、病院は高齢化社会のコミュニティーポイントとして、図書館は知の集積としてのコミュニティーポイントとなる可能性があるところです。
病院についてはイメージしやすいですね。昔から病院で井戸端会議をしている近所のじいちゃんばあちゃんの絵が浮かびます。
では図書館はどうか。個人な考えでは、図書館にくるということ自体がまず知識欲があるということではないでしょうか。少なくともインプットはしたい人が集まる場所であると。
インプットした後のアウトプットをするにあたって、他人を巻き込める仕組みができ、コミュニティーが生まれるのであれば、それは地域の大きな財産になりまもんね。
しかし、最後に脇が甘い…
とここまでは市長の行動に賛成だったのですが、つい最近、武雄市図書館についてネットで流れてきた話があります。それは『武雄市図書館にTSUTAYAの在庫が押しつけられる - Togetterまとめ』というもの。
たしかにリストを見るとこれってどうなの?という書籍が混じっています。このあたりが脇が甘いとしかいいようがない…。もともと批判が来やすい立場なのですから。
沸騰! 図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ (ワンテーマ21)
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