読書
『塞王の楯』の今村翔吾で面白いということで、読んでみました。僕自身が大阪出身、それも真田山などは、小さい時から遊んでいた場所ということで、なんとなく愛着がある真田幸村が主人公。 ネタバレあり 舞台は大阪夏の陣。まず初めに、幸村が大坂方につい…
芥川賞受賞作。知り合いが読んだということで、読んでみました。 授賞の時に著者が、一部AIを使って文章を書いたということを述べていたのを覚えています。 本書は、新国立競技場がそのままザハハディドのデザインで建てられたというパラレルワールドが舞…
本屋で平積みされており、帯には「東大・京大で一番読まれた本」という文字が踊ります。どうも最近この「東大生が」というものが書かれいるものが増えましたね。 さて本書は、「暇と退屈」について考察された哲学入門書となります。これが確かにということが…
2023年、発行された村上春樹、6年ぶりの長編。1200枚長編ということですが、あっという間で4日ほどで読んでしまいました。 あとがき(著者自身、あとがきを書く趣味は無いのだけれども、今回は説明が必要だから書くということ)にも書かれてある様に、『世界…
ギリシア人の物語の最終章になります。今回は、のちに大王と呼ばれることになるアレクサンダーについてがメインになります。 アテネの崩壊のあとに覇権をとったのがスパルタ、しかしもともと覇権国というよりも孤立主義であるスパルタは、中規模の都市国家で…
『ギリシア人の物語Ⅰ』が、アテネがライジングしていく姿を描いていたのに対して、『Ⅱ』は、最盛期から崩壊を描いています。 前半はテミストクレスの後をついで、アテネの最盛期をつくったペリクレス。都市国家であったアテネの肝は、東地中海、特にエーゲ海…
今や年末の恒例となっているM-1。それが立ち上がったのは2001年。もうすぐ四半世紀も前の話になるのですね。 漫才はすでに人気のないものだった。その漫才の威信を取り戻すプロジェクトとして企画されたのが、M‐1。 外向きには島田紳助が動いたということだ…
古代ギリシアの民主政はいかにして生れ、いかに有効活用され、機能したのか。 アテネとスパルタ。 そして襲ってきた強大なペルシア帝国が侵攻と団結。 大好き『ローマ人の物語』の塩野七生のギリシアの物語の1作目を読んでみました。 戦争ばかりやっていた…
スターバックスってもともとサザビーとアメリカスターバックス社の合弁だったのですね。本作はその日本上陸から拡大、上場までの中にいた著者による回顧録となっています。 サザビー自体は、ライフスタイルカンパニーとして、ファッション(アニエスベーなど…
ネットでちょっと書評が載っていたので読んでみました。 アメフトのコーチ出身でありながら、優秀なプロ経営者。ジョブズの師であると同時に、グーグル創業者たちを育て上げ、アマゾンのベゾスを苦境から救った伝説の存在。 という良き顧問のような方のよう…
ビジネス向け小説。 長野県の阿智村で実際に起きた実話に基づくビジネス物語 温泉旅館で働く新人・諸星明は、衰退する温泉郷の立て直しに挑戦する。しかし周囲は無関心。過去の成功体験が忘れられない反対派もいる逆風のなか、諸星と数人の仲間で始めた「デ…
夏休みに台湾旅行に行くということで、一番有名な台湾人、オードリー・タンの本を読みました。 蔡英文の元、IT担当大臣としてマスクアプリで日本でも一躍有名になった彼女の生い立ちから、育ちやLGBT、プログラマー時代(ひまわり運動など)などについて書か…
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顚末…
以前、映画にもなっていましたね。良いタイトルだなぁと思って気になっていました。文庫本は、設定が続いている連作短編集なのですね。 高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきた…
たいそうな名前をつけたものであると手に取ったときは思いました。 しかし、「興行」「映画」「音楽」「出版」「マンガ」「テレビ」「アニメ」「ゲーム」「スポーツ」という9つのジャンルを横断的に書かれた本書は、本当に面白かった。 もともとエンタメの…
やはり沢木耕太郎の文書は、水のように体に入ってくる。 西川一三という戦中に密偵として張家口から蒙古・チベットへ、そしてインド・ネパールとわたった8年もの旅についてのノンフィクション大作が本作である。 冒頭、盛岡で美容卸しをしていた西川に会い…
「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。 日本のRPGを作ったこの2大シリーズについて考察する1冊。ドラクエが「7」、FFが「10」ぐらいまでしかやっていませんが、それでも面白く楽しめた1冊です。 小学生~中学生時代にやっていた作品は懐か…
本屋で話題になっていたので読んでみました。 噂にたがわずあっという間に引き込まれ、2時間ほどで読了。 『なぜ対戦相手は、問題を言う前に答えられたのか』 という究極の問いを読みほどいていく。クイズ番組の決勝の問題を振り返りながら、その問いととも…
巷で話題になっていたので読んでみました。 関連性不明の不審死の共通項は身体に残された「暃」の字。それは、存在しないにも拘わらず、パソコン等では表示されるJISコード「5A73」の文字、幽霊文字だった。刑事たちが、事件の手掛かりを探る中、新たな死者…
久しぶりの沢木耕太郎作品。この人の文体が好きなんです。良い日本酒のように体にスッと入ってくる。 今回のテーマは『火宅の人』の作者である檀一雄の妻であるヨソ子の立場から書かれた作品。ルポなのだが当事者の目線から書かれているという2.5人称ともい…
元官僚・元コンサルという経歴から白馬に魅了されてスキー場で働き、社長になった著者。斜陽産業のスキーですが、グリーンシーズンで稼ぐということで、立て直しを図りました。 基本的に著者の経験談によるものですので、読みやすいです。 その方法をメモし…
子どもの塾の国語の課題文章で良く出てくる重松清。 ちょうど図書館の返却棚にあったので読んでみました。初めての重松清作品でしたが、読みやすかったです。 音楽、それもキヨシローがテーマということで、面白く読まさせていただきました。学生時代にバン…
今年夏にタイで「暁の寺」にも行ったこともあり、ずっと読まなばと思っていた三島由紀夫の「豊穣の海」を読了しました。 4巻に及ぶ壮大な輪廻転生物語が、ラストの数枚で閉じていくという結末は知っていました。本当に閉じるのかと不安になりつつページを繰…
「語学を旅する」とでも言うのでしょうか。 英語から始まり、フランス語、リンガラ語でアフリカへ、その後スペイン語、ポルトガル語とヨーロッパ編、さらにケシの栽培地に行くということからアジア編としてタイ語、中国語、ビルマ語からさらに文字すらない現…
静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。春夏秋冬が名前に入ってる4人が温泉宿に行き、翌朝死体が転がっている。 一つの事実を4人の目線から描く。間に挟まれる第三者の目線。(この第三者の目線だけがフォントが違う)。 物事は見る…
どんな攻めをも、はね返す石垣。どんな守りをも、打ち破る鉄砲。 この題材をもって500ページの大作を読み通してしまいました。 なんてったって、主人公である匡介と彦九郎の戦いになるまでで約300ページを読まされます。ただこれが面白い! 石垣積みと鉄砲鍛…
少し前にサントリーの創始者 鳥井信治郎を題材として「琥珀の夢」という小説を読みました。 lifeisashowtime.hateblo.jp 今回は、ジャパニーズウィスキーの父、ニッカウヰスキーの創始者、竹鶴政孝の本人の自伝的な物語になります。もともとは日経の「私の履…
プロレスはあくまでもエンターテインメント。 猪木が作ったプロレスが最強の格闘技という幻想。それが形骸化してきたところで、観客の希望だったUWF。リアルファイトなのかプロレスなのか。その絶妙な線を行った(行かざるおえなかった)UWF。そしてそ…
映画化もされた三浦しをんの小説。 辞書作りという思いもつかない設定の爽やかな小説でした。 「辞書」がテーマということで、色々な「言葉」が出てきます。記憶というものは言語化することで残っていくということ、「言葉」を残していく、新しい「言葉」に…
個人的にラスベガスという街に興味があります。何もなかった砂漠の真ん中に作られた人工的な街。 時々、思いついたようにラスベガスという街について書かれた本を読んでいます。本作はたまたま図書館で見かけたので読んでみました。 本作は、ラスベガスが小…