Life is a showtime

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(読書)ザ・カジノ・シティ/デイヴィッド・シュワルツ

個人的にラスベガスという街に興味があります。何もなかった砂漠の真ん中に作られた人工的な街。

時々、思いついたようにラスベガスという街について書かれた本を読んでいます。本作はたまたま図書館で見かけたので読んでみました。

 

本作は、ラスベガスが小さな冴えない町だったころからカジノリゾートへの変化していく時期の物語。そのカジノリゾートへの設計を描いたのがジェイ・サルノという人物になります。

ただ前書きにもあるのですが、裏側世界とのつながりもあり、ハワード・ヒューズやスティーヴ・ウィンに対してあまり取り上げられない。しかしラスベガスをエンタテインメントシティへの道筋をつけたのはサルノであるに間違いありません。

 

サルノは、まだラスベガスがしょぼい田舎町だった時にやってくる。アトランタでホテル業をやっていたサルノは、この街のポテンシャルに気付く。しょぼいホテルしかないのであれば、豪華なホテルを作ればお客がわんさか来る。

そこで建てたのが古代ローマ帝国を模した「シーザーズ・パレス」。これが大いにあたりラスベガスのビジネス界を驚かす。とはいえ儲かると色々な人が権利を主張するのが世の常。

 

そこで次に手掛けたのが「サーカス・サーカス」。サーカスというエンターテインメントを取り入れ富裕層よりも庶民を対象とする。当初はホテルがなかったこともあり収支に苦労する。このころお金に困ったサルノは裏側社会とのつながりも持つようになる。

金策をしホテルを併設、そしてサルノが経営から退くようになったことから、サーカス・サーカスが軌道にのっていく。

 

裏側社会とのつながりもあり、裁判に巻き込まれてたあと、人生最後の事業としてとりくんだのが、さらに巨大なホテルを兼ね備えた「グランディッシモ」を夢想する。しかし金策つきこれは実現しなかった。しかしこの「グランディッシモ」の構想は、のちの「ミラージュ」に始まる巨大エンターテインメントリゾートホテルにつながっていく。

 

こう書くとサルノが素晴らしい人間のように思えるが、過度なギャンブル依存症であり、女性遍歴が無茶苦茶だったりと人格的には(一般的な見解からは)崩壊している面も書かれている。

つねに何かに賭けていないと落ち着かないという面で、おそらく多動症であり、人生自身も賭けるあたりは神経症傾向が恐ろしく低いのでしょう。天才と馬鹿は紙一重といいますが、世を変えるにはこうした人間なのでしょう。

 

人には良い面もあれば悪く思える面もある。

 

ビジネスとして、人として面白いサルノの一生をおえる面白い1冊でした。

 

 

 

 

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