各県庁所在地の街のでき方について書かれた学術書。ブラタモリ的面白さが詰まっています。
明治維新の廃藩置県でおかれた各県庁所在地。もともとは城下町が主なところだけれども港町や宿場町、もしくは新たに設置された町(宮崎)もある。
それらの街がどのようにしておかれ、廃藩置県の際にどういう意図で都市計画をされていったのかという過程を各都市の物語を読むように端的にまとめられています。
多くの街の場合、旧市街がありその端に駅ができます。江戸時代はお城だったところに県庁がおかれ、県庁と駅を結ぶ大通り、そして大通りと交差する大通りができ、そこが「まちのへそ」となるパターンがあるのですが、そうはならないのが各都市の面白さ。
それは地形だったり、城を持っていない町は公共施設を置く場所がとれなかったりすると、その土地にあわせた町の変遷とたどります。
もう一つは空襲。多くの県庁所在地が空襲にあい、そこで一気に都市計画がすすみます。戦後の都市計画が進んだ都市に多いのは、耐火道路という名目で作られた大通りを使った都市計画。もちろん代表格は名古屋です。
それ以外にも興味深い記述があります。
なぜ東京は宮廷と中央駅がこんなに近いのか。新潟という川湊からの発展した町や税関を中心とした横浜。著者が都市計画として絶賛していたのは宇都宮。かつての「まちのへそ」がいまだに機能している静岡。
僕自身まだ全都道府県に行っていませんので、ぜひ街歩きをしながら旅をしてみたいと思います。
本当に地図って面白い。