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(読書)ローマ法皇に米を食べさせた男/高野 誠鮮

石川県羽咋市のスーパー公務員のお話。著者自身が語りますので、一面的な部分は否めませんが、その情熱が伝わる一冊でした。

プロジェクト進めるために重要なこと

本書で語られる成功事例は大きく分けると『神子原米のブランド化』と『UFOで町おこし』に分けられます。この2つの事例において、著者がどう行動していったか回顧録のように書かれています。
 
ただ時間軸で読んでいくのも面白いのですが、ビジネスの成功事例として捉えるといくつかのポイントがわかります。
 
プロジェクトを成功させるためのポイントは下記の3つであると思います。
 
「人を動かす」
「伝え広める」
「人を巻き込む」
 
どうすれば人が動くのか。
著作がとった行動は、自分がやってみせるということ。さらに人間の性として、外部からの評価が高いと影響されるということで、他エリアでの成功事例を見せたり、学者発言をとってきたりします。
伝え広めるためには、マスコミが喜びそうなネタお提供します。ローマ法王への献上米やUFOを使った話題作りなんてものはその典型的な例です。
最後に多くの人を巻き込むこと。市長から可愛がられていた著者。そういった権力者を巻き込みつつ、農村の現場での賛同者を根気強く増やしている一面もあります。自分一人で成し遂げられることは限られています。任せること、巻き込むことって大事なのです。

最後は行動力

革新的なことをなすのは「よそ者、バカ者、若者」だといわれています。

著者は、バカ者といわれていました。さらに東京でテレビの構成作家をしたこともあるということで、よそ者の一面も持っていました。

あとがきに、3つの公務員というフレーズがります。「いてもいなくてもいい公務員」「いちゃ困る公務員」「いなくちゃならない公務員」の3つの種類。公務員って権力で守られており、中にいるとそれが当たり前になっていきます。公務員の世界こそ、「よそ者、バカ者、若者」が必要ですね。
 
本書を読んでいて感心するのは著者の行動力。公務員らしからぬ組織の縛られない動きをします。その行動規範について、少し触れられていました。
著者は、公務員でありつつも僧侶でもありました。それに由来してか、「他人からどう見られているかという視点よりも、仏様がどう見ているかという視点で行動する」と書かれています。
この考え方って、一理あります。ここがはっきりしていると軸はぶれないですもんね。信念をもって行動するということは、こうした絶対的なものに従って行動するということなのでしょうね。
 
ローマ法王に米を食べさせた男  過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?