★★★
すっかりブーム(にもなっていなかったとも思いますが…)もおちついた先日に夏休みアニメ大作「メアリと魔法の花」を観てきました。
正直なところは、子ども連れで観ることができる映画が他に無かったためですが…。
公開も終盤になると一定の評価は固まっています。ですので特に期待せずの鑑賞です。
スタジオジブリの後を継ぐスタジオポノックの1作目という宣伝文句でしたが、前評判どおりジブリ的な要素があちこちに、薄く散りばめられています。
タイトルの「魔女」から始まり、森へ迷い込むシーンはトトロ、魔法学校への入学はポニョを。カオナシ風の魔法学校の生徒が登場したり、危険な崖路シーンはラピュタか千と千尋か。
それに加えて魔法学校という設定は、どことなくハリーポッター的でもある。イギリス文学が原作なので、こういうパターンが多いのでしょうね。
話としては面白く、設定も良かったと思います。
ただ全体に感じるのが薄味であるということ。
動的でもあるが、わりとあっけなく次々シーンが変わる(ただスタートは本当にちんたらしているが…)。特にクライマックスシーンなどあっけなく終わっている。
後半、「人間は魔法という大きな力をコントロールできるのか」という大命題にとりくんでいるのだと思うのですが、それもどうもあっけなく、もったいない。
もちろん魔法を原子力と読み替える暗喩なのでしょうが、それにしては軽すぎます。惜しいなぁ…。
ひとつ印象的だったのは、エンディング。「私には魔法なんていらない」と魔法の花をあっけなく手放す主人公。こうしたあっけらかんとしている姿って素敵ですね。
(そういえば「魔法」といえば、最近話題になっていますね。魔法が存在してもしていなくても「いらない!」と言い切れるのもまた素敵だと)