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(映画)ミナリ@伏見ミリオン座~すべてのおばあちゃんに捧ぐ

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★★★☆

 

派手な大作がない中で今年の有力作品として「ノマドランド」とともに挙げられている「ミナリ」を鑑賞してきました

一昨年ぐらいから分断のアメリカを描いた作品がアカデミー賞ノミネートをされてるようになってきました。

 

夢を語る、一発逆転を狙う男、現実を見る女、そしてその家族と妻の母。

アメリカに移住し点々としてきた韓国人家族がトレーラーハウスに引っ越し、農場を作ろうとするお話し。

 

そこにはやはり労働者階級に悲哀が漂う。

 

しかし本作の魅力は、その悲哀よりも、なんといっても祖母であったと思う。韓国から呼ばれた祖母。孫に対してもやさしくはなく、花札をやり、マナーもない……。

観ていて自分の母を思い浮かべてしまいました……。どことなく田舎っぽい、イジワル婆さんのよう。

画面から漂うその嫌悪感からスタートするお婆ちゃんですが、徐々に孫たちを介して溶け込んでいき、その嫌悪感が消えて行く演技演出はなかなかのものでした。

 

「雑草のように、それでも生きる」、そんなメッセージが伝わる味わい深い映画でした。