★★★☆
評判を聞いて、シネマデーに観に行ってきました。観客がほとんど男性というのは、社会派映画ということからでしょうか。
3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件の真相を追う由宇子は、ドキュメンタリーディレクターとして、世に問うべき問題に光を当てることに信念を持ち、製作サイドと衝突することもいとわずに活動をしている。その一方で、父が経営する学習塾を手伝い、父親の政志と二人三脚で幸せに生きてきた。しかし、政志の思いもかけない行動により、由宇子は信念を揺るがす究極の選択を迫られる。
正義とは何なのだ。
問題の本質をえぐろうとする由宇子。彼女なりの正義を貫こうとする。
しかし自分が父親の行動に関わるところから、揺らぐ。それでも正義を貫こうとするけれども、さらに真実を知り揺らぐ。
マスゴミといわれるようになって久しいが、マスコミの事実の切り取りについての言及がある。由宇子の上司が、「俺たちが報じたことが正義だ」ということを述べる。
一方、あることないことを騒ぎ立てるSNSの中傷によって、加害者・被害者ともの人権がなくなります。SNSの中傷って、まるで鈍器で殴られるようなもんなんですよね…。そして多くの人は傷つけたとも思っていない……、忘れている。
物事には色々な面があるということ。立場が違えば見ている面が違う。まして想像もできない見えていない面もある。
そのうえで、正義ってなんだろうなぁ。
ちなみに、ドキュメンタリーディレクターを務める由宇子を演じるのが、瀧内公美さん。めちゃくちゃ魅力的。こんな人が職場にいたら、惚れてしまいます。