★★★
アカデミー賞のノミネートで気になっていたTARを観てきました。
なんなんでしょうか、この映画。人間劇でもありホラーでもあり音楽映画でもある。静か流れで進む、しかしそれがなんとも不気味。どこかに罠が仕掛けられているような感覚。
クラシックシーンは、さすがです。ただそれも2時間半に及ぶ作品の中では、非常に短く、効果的な刺激として使われています。
まるで交響曲のように静かに、一瞬激しく、そして静かにという作り。
ケイト・ブランシェットしかできない役だったということも納得です。
<ネタバレ含む>
まずもって映画が始まってすぐにエンドロールから始まります(こんな映画かつてあったでしょうか)。もちろんこれによって最後のエンドロールが短くなります。
一見、繊細で高貴である指揮者。しかし傲慢で怪物っぷりも見え隠れしてくる。そして徐々に踏み外すレール。
転落後までも結構描かれています。バッドエンドかのか、それとも再生なのかいえるラスト。
ちなみに最後のエンドロールに、モンスターハンターオーケストラ とあり、そういうことねと思ってしまうエンディングでした。