Life is a showtime

やりたい事とか日記とかをつれづれなるままに……

(映画)インスペクション ここで生きる@伏見ミリオン座~LGBTにとっての軍隊。軍隊は逃げ場なのか。

f:id:mailto1979:20230903165630j:image

★★★

 

監督の経験から着想を得たマイノリティ視点での軍隊のお話。

ゲイでホームレスであった主人公。ゲイであるため母親からは認めてもらえず、母に認めてもらうために海兵隊に入隊する。

しかし当時の海兵隊では、同性愛者は入隊できない。そこを自分と向き合うため、母に認めてもらうために、嘘をつき海兵隊に入隊する。しかし、同性愛者であることがバレるとイジメにあう。同じ性向を持つ教官に面倒をみてもらったり、意外とマイノリティ(例:宗教的とか)も多く、最後には海兵隊として認めてもらうことになる。

 

LGBT映画としても興味深い出来でしたが、アメリカ社会の軍隊を役割を認識できる映画でもありました。つまり社会の貧困層の受け皿としての軍隊という側面があるということ。

劇中でも、はやく海兵隊として入隊しお金をもらうというエピソードが出てきます。社会のセーフティネットしての軍隊。裏を返せば、戦争でまず最初に被害がでるのはそうした弱者ということも言えます。

ロシア軍が貧しい田舎の村の青年を軍隊で徴兵をしているというニュースも流れてきています。どの世界も弱者がまず狩り出される現実を突きつけられた一本でした。

 

オシャレな作品が多いA24の作品ですが、綺麗な映像と骨太の内容で見ごたえはあります。

happinet-phantom.com